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破沙盆

2024年05月16日 05:29

破沙盆

本日の書作品は

禅語「破沙盆はさぼん」
参加しているFacebook書道グループ
今日のテーマです。
■「破沙盆」とは

割れて使い物にならない「すり鉢」のことです。

密庵咸傑みったんかんけつ禅師は、師匠の応庵曇華おうあんどんげ禅師に、
※密庵咸傑(1107~1186):中国南宋代の臨済

「如何いかなるか是れ正法眼しょうぼうげん」
禅の真の悟り仏法の真髄を言ってみよ、
と問われて
「破沙盆」、つまり仏法など割れて使い物にならないすり鉢でしかありません、と答えたのです。
密庵は決して仏法など意味がないと言ったのではなく、どんなに素晴らしい仏法でも、それにとらわれたら、使い物にならない破沙盆と@同じです、反語的に戒めたのです。例えば、宋代の詩人である釈道冲は、『偈颂五十一首』の中で「正法眼、破沙盆」と述べており、ここでの「破沙盆」は、世俗の束縛を打ち破ることや、仏法真理を深く理解することを意味していると考えられます。つまり、平凡で壊れたように見えるものの中にも、価値を見出すことができるということです。

また、「破沙盆」は他の詩歌でも使われており、「大家齐努力,扶起破沙盆」という詩は、団結協力し、困難を克服し、壊れたように見えるがまだ価値があるものを修復または向上させることを意味していると考えられます。

物品や形象の古びた状態を表す言葉である「破沙盆」は、日本文化において象徴的な意味を持っています。日本社会では、物質的な豊かさや贅沢な生活を追求することは健康的ではないと考えられており、人々は質素で倹約な生活態度を尊重しています。そのため、「破沙盆」という言葉は、質素な生活態度を称賛し、肯定するものとしても見なされています。

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