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ゆく年くる年のしきたり

2021年12月31日 21:48

ゆく年くる年のしきたり

心せわしい年の暮れ、いかがお過ごしでしょうか?

国内の新型コロナウィルス感染者数は落ち着いているものの、世界的状況からするとまだ気が抜けませんね。
それでも季節は移ろい、発生から3回目の冬を迎えました。
飲食店の営業時間制限が解除されて、街中を歩くと昨年より活気があるように思います。
先日久し振りに家族で外食をしたところ、何か失いかけていた感覚が呼び戻されたような心地でした。
外でみんなと食事をするって、こんなに素晴らしいことだったっけ…!?と。
中止していたクリスマスイルミネーションを復活させたところも多く、ショッピングモール等のお正月商戦も賑やかで、良い兆しを感じます。



「 ゆく年くる年のしきたり 」

大晦日の夜はどのように過ごしていますか?
月並みですが、我が家テレビを観ながら年越しです。(私は明日から仕事ですが)

NHK紅白歌合戦の賑やかなフィナーレから一転、静寂のなか映し出される、ゆく年くる年のタイトル。
どこか遠い土地雪景色、参拝の列に並ぶ人々の白い息、ゴーーーーン……と響く鐘の音。胸に沁みます。
さて、除夜の鐘年越し蕎麦も年末に欠かせない風物詩ですが、どのような由来があって行われているのでしょうか。

ゆく年くる年のしきたり」と題して、年末年始に行われるしきたりについて紹介したいと思います。

正月飾り

おめでたい雰囲気演出するのに欠かせない正月飾り。実はただの飾りつけではありません。
昔から元日には各家庭に年神様がやってきて、その年の健康や幸せなどをもたらしてくれると言い伝えられてきました。
例えば「門松」は年神様が迷わず家に降りてきてくださるように「目印」としての役割があります。
しめ飾り」は家に不浄なものを寄せ付けない結界の役割があり、「鏡餅」は年神様の依り代(よりしろ)として飾ります。
気を付けたいのは飾る時期。12月31日に飾ることを「一夜飾り」呼び、年神様に失礼であると言われています。
かつては旧暦12月13日正月の準備を始める「正月事始め」の日でした。
現在は新暦12月13日正月事始めとし、12月28日までに飾りつけをするのが一般的です。
29日は二重苦で縁起が悪いため避けられ、30日は一夜飾りとそう変わらないので、末広がりの「八」がついて縁起の良い28日に飾るお宅が多いです。

大晦日

現在は「おおみそか」と読むのが一般的ですが、古くは「おおつごもり」と読みました。
晦(つごもり)は月が隠れる日を意味する月籠(つきごもり)が訛ったもので、毎月の末日を表す言葉。
これに「大」がついたものが大晦日で、一年の最後の特別な末日という意味があります。
なお、晦日(みそか)には「30日」という意味もあるため、三十(みそ)と日(か)でみそかと読むようになりました。

私も楽しみにしていた年越し中継番組ルーツは1927年(昭和2年)、寛永寺除夜の鐘ラジオで中継放送されたことにあるそうです。

かつてはお供え物を用意して家に籠り、年神様の訪れを寝ずに待った大晦日
今では旅行カウントダウンの催しに出掛ける人も増え、過ごし方は変化してきています。

除夜の鐘

除夜(じょや)は漢字文化圏で「一年最後の日」を表す言葉で、日本では大晦日の夜のこと。
寺院除夜の鐘をつく風景は大晦日風物詩になっていまよすね。
鐘を108回つく理由には諸説ありますが、よく知られているのは「人間の煩悩の数」でしょう。
これは、人間の眼・耳・鼻・舌・身(皮膚)・意(意識)の6つの感覚器官にはそれぞれ6つの悩みがあり、さらに過去・現在・未来の3つに分けると108になるというものです。
鐘をひとつつくたびに煩悩を払い除けてくれる除夜の鐘。ぜひあやかりたいものです。

近年除夜の鐘ライブ配信を行う寺院が増えているので、気になる方はインターネットでお調べの上、視聴されてはいかがでしょうか。
ちなみに昔は日没が一日の境と考えられていたので、午前0時を挟んで鳴らす除夜の鐘は、新年の行事と捉えられていました。

年越し蕎麦

蕎麦の細く長い形状から「延命長寿」などの縁起をかついで食べられる年越し蕎麦
江戸時代中頃、商家では毎月の月末に「三十日蕎麦(みそかそば)」、別名「晦日蕎麦(つごもりそば)」を食べる慣習がありました。
帳簿管理や棚卸などはデジタルの時代に生きる私たちよりずっと大変で、相当に忙しかったことでしょう。
このとき奉公している人たちに振舞われたのが、安くて早くて旨い、江戸ファーストフードとも言える蕎麦でした。
そしてこれが転じたものが今の年越し蕎麦という訳です。
年越し蕎麦を何時に食べるか論争や、蕎麦よりうどん派!などの書き込みをSNSで見掛けると年の瀬だなぁと思います。

初日の出

元日日の出」のことで、山頂や海岸など見晴らしの良い場所へ初日の出を拝みに行く方も多いですね。
拝むという言葉は「うやまって礼をする」という意味があります。人は何故、初日の出に向かって拝むのでしょうか?
ありがたい景色を前に無条件に拝みたくなる気持ちも分かるのですが、その由来は平安時代から宮中で行われている「四方拝(しほうはい)」と呼ばれる儀式にありました。
元旦の朝、天皇陛下は宮中の神殿から伊勢神宮などの天地の神々に拝礼をされ、五穀豊穣や国家の繁栄などを祈られます。
この儀式が民間に知れ渡ると、いつしか「年神様初日の出と共に現れる」と伝わっていき、明治時代以降には現在のように初日の出を拝むようになっていたようです。

若水(わかみず)

若水元日の早朝に初めて汲む水のことをいい、その水は一年の邪気を払うと言い伝えられています。
これも元を辿れば宮中祭祀のひとつで、清められた井戸の水を立春の朝に汲み、天皇に献じたことが由来です。
それが民間に広まると、正月行事を取り仕切る家長若水を汲んで年神様お供えするようになりました。
残りの水でお茶を淹れたり、料理に使ったり、口に含むとかすかな苦みと漢方薬らしい香り。
屠蘇の歴史は平安時代からと大変古く、これもまた宮中の儀式で厄災除けのために飲まれていたものです。
「屠」の字は「ほふる」、「蘇」の字は「悪鬼」のことで、邪気を払って生気を蘇らせるという意味が込められています。
屠蘇器(とそき)と呼ばれるお屠蘇用の銚子と盃でいただくのが伝統的な方法ですが、それぞれのお家でお正月に相応しい器に入れて差支えないかと思います。
大晦日の夜に仕込み、元日にお屠蘇をいただく際は「一人これを飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱える作法があります。

お年玉

お正月子どもたちが何より楽しみにしているのがお年玉。私もいつの間にやらあげる側です。
お年玉は元々は年神様お供えする丸い餅のことを言い、餅には年神様の力が宿ると考えられていました。
そのため、子供の無事や成長を願い、家長から年少者に餅を分け与える習わしがありました。
高度成長期を経て餅をつく家も少なくなり、かつてのお年玉の代わりにお金を包むようになったのが現在のお年玉です。

いかがでしたか?忙しい現代生活の中で古くからのしきたりは徐々に薄れているようにも思えますが、私たちの生活に自然と溶け込んでいます。

皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

このデジログへのコメント

  • なな♪ 2021年12月31日 22:25

    > 令二さん

    明日から仕事です。30、31のみお休みでした。
    明日から頑張ります。起きれるかな(>_<)

  • ベソ 2022年01月01日 09:52

    明けましておめでとう。良い情報をありがとう… 知らないことばっかりや!


    良い一年になるといいね!

  • なな♪ 2022年01月01日 23:55

    > ベソさん
    明けましておめでとうございます。
    お役に立てれば嬉しいです。

    今年は昨年と逆に明るい気持ちになれることが増えればいいなと思っています(^^)

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