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五つの色の鬼退治!~鬼のいろいろ~ 表裏同文
2022年02月01日 00:09
昨年の節分は124年ぶりに2月2日になるというレア年でした。
今年はいつもの2月3日に戻り、恵方は「北北西やや北」です。
節分といえば豆まき、豆まきといえば鬼の存在が欠かせませんよね。
大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の世界には人間を脅かす数々の「鬼」が登場し「元は人間だった」と明かされています。
鬼にならざるを得なかった哀しい人間の姿が描かれているのが物語の大きな特徴といえるでしょう。
さて、この「元は人間だった」は鬼滅の刃の世界でのお話です。
鬼とは一体何者なのか、調べてみました。
■鬼にはモデルがいた
鬼と聞くと平成生まれの方はアニメやゲームに登場するキャラクターを思い浮かべるかも知れませんね。
昭和生まれの方はドリフターズ扮するコミカルな鬼や、桃太郎、一寸法師の悪役として登場する鬼のイメージが強いのでは。
絵本では大抵、赤や青の肌、血走った眼、縮れた髪、鋭い角と牙と爪、手には金棒、虎やヒョウ皮のふんどし姿で描かれています。
このように一般的にイメージされる鬼にはモデルがいます。
仏教の世界観のひとつ「地獄」にいる「獄卒(ごくそつ)」です。
獄卒は閻魔王に仕え、地獄に落ちた亡者に拷問をして罪を償わせる役割を担っています。
地獄絵図という言葉は悲惨な状況を表す言葉として使われますが、元は地獄を描いた絵図のこと。
業火や針山、血の池など…恐ろしい景色に目を伏せたくなります。
こうなりたくなければ悪いことをしてはいけないよ、という戒めが込められているのですね。
獄卒にも色々いますが特徴的なのは牛頭馬頭(ごずめず)。
人間のような体に牛・馬の頭という姿で、鬼の頭に角が描かれるきっかけになったと言われています。
■人々の不安が作り出した
古く日本では、姿のないもの、死者の魂のことを「隠(おぬ)」と呼びました。
高貴な人が亡くなったことを「お隠れになる」と言うのはここからのようです。
この隠(おぬ)が転じて「おに」になり、中国から伝わった「鬼」の字があてられたという説があります。
疫病や天災、飢饉などから人々が大きな不安に苛まれた平安時代。
これらは目に見えない鬼が引き起こすと考えられており、宮中では追儺(ついな)と呼ばれる鬼払いの儀式が行われていました。
鬼は仏教の教えと結びつくと、実体を伴う恐ろしい存在として捉えられるように。
豆などの穀物は昔から厄災を祓う霊力が宿ると信じられており、豆を撒いて鬼を避けるようになりました。
■異なる鬼の概念
鬼はその時代、社会、宗教などにより概念が異なるのが興味深いところです。
仏教では地獄の獄卒のほかにも「餓鬼道(がきどう)」に落ちて飢えに苦しむ餓鬼、仏法を犯すとされ四天王像に踏まれる邪鬼(じゃき)、人を食らうという羅刹(らせつ)などが知られます。
一方で、悪さをしていた鬼が仏教に帰依(信じ拠り所にすること)して仏になったという例も多くあります。
秋田に代表される「なまはげ」などはまさに鬼の形相ですが、こちらは鬼どころか来訪神として、人々の生活とともにある存在です。
修験道では役行者(えんのぎょうじゃ)に仕えた前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)と呼ばれる夫婦の鬼が登場します。
厳しい修行に励む役行者に感化された2人の鬼は、奈良県の山深い土地に集落をつくりました。
前鬼・後鬼には子孫がいて、現在、子孫の方が宿坊を開かれているそうですよ。
また、全国各地に鬼の伝説が残されており、能や歌舞伎の題材になっている大江山(京都府丹後半島)の鬼退治伝説は有名です。
京の都にやってきては女性や財宝を奪う鬼の首領、酒呑童子(しゅてんどうじ)と副将の茨木童子(いばらきどうじ)。
勅命を受けた源頼光とその四天王が山伏に扮し、鬼達に毒酒を盛って退治するという物語です。
■鬼が嫌うもの
鬼が嫌うのは炒った大豆と「柊鰯(ひいらぎいわし)」。
柊鰯の慣習は江戸時代に始まりました。
鰯を焼くときに出る煙と独特の臭い、そして柊のもつトゲが鬼の弱点であると言い伝えられています。
柊鰯は焼いた鰯の頭を串刺しにし、柊の小枝にくくり付けて家の出入り口に吊るしたもの。
都会で柊鰯を飾っているお宅を見掛けることは少ないかと思います。
動物が寄ってきたりしてご近所に迷惑をかけるのは避けたいところですよね。
しかしご安心を、鰯は食べても厄除けの効果があるそうです。
■節分の鬼の色
福豆を買った時についてくる紙のお面はたいてい赤鬼ですが、実は節分の鬼には赤・青・黄・緑・黒の五つの色が存在します。
仏教では修行の邪魔になる五つの煩悩を総称して五蓋(ごがい)と呼び、その教えに基づいて鬼に五つを当てはめているのです。
赤鬼…貪欲(とんよく) 欲望や渇望のこと
青鬼…瞋恚(しんに) 怒り、憎しみ、恨み、悪意のこと
黄鬼…掉挙(じょうこ) 後悔、執着心、甘えのこと
緑鬼…?沈・睡眠(こんじん・すいめん) 怠惰、不摂生、不真面目のこと
黒鬼…疑(ぎ) 疑心、不平不満のこと
赤鬼が多いのは「欲望があらゆる悪の象徴」と考えられるため、との説が有力だとか。
払いたい煩悩に的を絞って、鬼の面を手作りしてみてもいいかもしれませんね。
このデジログへのコメント
高尾山には天狗がいたらしいけど、天狗って西洋の白人が流れ着いたりしたものじゃないかと、勝手に思っています。
> かっちんさん
天狗…元は何が元で存在を認知され始めたんでしょうね(^^)
> 令二さん
108…煩悩の数ですか?(^^)
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