- 名前
- 邪神ちゃん ドロップキック!
- 性別
- ♂
- 年齢
- 59歳
- 住所
- 群馬
- 自己紹介
- バツイチ&再婚 子持ち?(ワンコがいます)
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「最近よくある異世界召喚」(4)
2021年03月14日 16:11
「魔導書を手に入れた・・・過ぎた数と種類だ。まずは、水くみまでの道を整備してみるか」
水くみに行く道は凸凹が多く台車の移動も一苦労だった。
「土木工事をイメージすれば良いんか? 幅は台車3台分だな、往復の二車線にして、行きは1%勾配の下り、戻りは勾配0%、石畳の道路っと・・・どうだ?」
足元から少しずつ道が変化していく。
水くみ場の泉まで歩く。道から2mほど高い場所に泉がある。
「水道とも考えたが・・・運動不足になるしなぁ。 この手の泉には女神がいるかもしれんしな。
誰も訪れなくなるのはリスクが高いな」
泉から道の方に水路を作り、水門を設けた。水門を開ければ、泉の下に作った水汲み場に泉から水が落ちてくる仕組みだ。
「水門の開け閉めに泉を訪れるから、水源の変化があれば気づくだろう。」
家に戻ると、シルフィーが台車を用意していた。
「じゃ、シルフィー君、今日も水くみに行きますか」
「はい、クレアさん。ところで・・・道が変わってますよ。何かやらかしたんですか?」
「やらかしたとは、もっと褒めて欲しいね。」
「そうでしたね。はいはい、良く出来ました。」
「それって? 褒めてる?」
「はい、とってもです。」
道の整備で台車が軽い力で進む。
「シルフィー、あの泉って神様とかいるんか?」
「あ、クレアさん見ました?」
「いや、見てないけど」
「泉には女神様がいるんですよ。でも満月の夜しか会えません。」
「勝手に泉に手を加えたが、大丈夫かな?」
「えーー? どれどれ可愛い私が見てまいります」
「はいはい、よろしく聖女様」
シルフィーが泉を見て戻ってきた。
「泉まで上がらなくても水が汲めるのですね。泉が澄んだままですから、女神様お怒りじゃないと思いますよ」
「そうか、聖女様の言葉を信じるか」
「はい、信じてください。これでも一応衛星都市が選んだ聖女ですからね!」
故郷の雰囲気がシルフィーを年相応の明るい娘に戻していた。
12歳で聖女として独り都市へ招かれたのは大きな負担だったのだろう。
「あの・・・クレアさん。 うちの母とは?」
「うん?」
「あ、あの・・父が戦死して数年、母は独りで私を育ててくれました。私も一人前に農家できます。少しでも母には幸せになって欲しくて・・・で、できれば・・・母と・・・あ、あ、あの・・・私の父になって」
そうゆうことか・・・
「ウンディーネさんは、どう思っているのかな? まだお父さんのこと気になるでしょう?」
「えぇ、でもいつまでも独りじゃ、もちろん今はクレアさんが同居してくれていますから、でもクレアさが居なくなったらと思うと」
「そうか、ウンディーネさんと話してみるよ」
「はい! お願いします。」
「シルフィー、遠くの山が何だか怪しい雰囲気だが・・・何だ?」
具体的に見えている訳ではない。クレアは自分を中心に半径100km圏内の事象を感知する能力を持っていた。村から離れた山間部に黒く大きな動物のようなモノが数多く見える。
「クレアさん。魔物のようです。村長に知らせなければ」 シルフィーは聖女の異能により感知していた。
急ぎ村長の元へ向かい。事情を話した。
「困った。男手が無い。ところで魔物の種類や数は?」
「イノシシの魔物が20頭ほど群れをなして向かっています」 シルフィーが告げた。
「ここには私に与えられた旧型の魔動騎士が一騎しかない。しかも稼働させる為の魔導書が無いんだ」
「シルフィー、魔導書は図書館には無いのか?」 クレアが尋ねる。
「無いのです。その魔導書はAランクです。魔導騎士は帝都と衛星都市の防衛専用なので無いのです。しかも他の魔導書と異なり起動する度に1巻必要なのです。」
「魔導騎士は退役時に記念に与えられたようなモノだからなぁ」
「(魔導書を作るってのは無理なのか?)」 クレアの頭の中で魔法陣が描かれ始めた。
クレアの手に羊皮紙が浮かび上がり、現実のモノになった。
「これで魔導騎士は動かせるか?」村長に渡した。
「うん、試してみよう。もう何年も乗っていないが、動けば何とかなるだろう」
屋敷の裏の蔵に安置されていた魔導騎士。背丈は4mほどだ。
村長が乗り込み、魔導書を開いた。
「術式展開、動力確認、各部確認、全て正常・・・良し、行けるぞ」
魔導騎士が動き出す。
手には鋼の槍を携えて、魔物を迎え撃った。
30分ほど経過しただろうか・・・魔導騎士が戻ってきた。
「お祖父様・・・」シルフィーが駆け寄る。
「シルフィー、大丈夫だ。実に久しぶりだったがの・・・」
「クレアよ、魔導書 助かったぞ。”生産者”とは使いようでは戦闘者以上ではないかな。」
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