- 名前
- ポルコ・ド・オロ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 67歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- アル中です。 貧困です。 不細工です。 老人です。 前科者です。 よろしくお願い致します。
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近代能楽集 「葵上」
2019年11月30日 00:58
三島由紀夫 談
「私としては、葵上が一番気に入つてゐる。
スリラー劇みたいな要素もあり、
主題はそんなに哲学的でなく、
観客にも受け入れられやすいと思ふ。
ただあくまで、六条御息所の位取りが大切で、
安つぽい嫉妬怨念劇であつてはならぬ。
俳優には、やりづらい芝居であらうと同情する。」
と あります。
今夜の大阪での舞台
近代能楽集 「葵上」 は
その意味では 完璧でした。
六条康子
妖しく この世のものではない雰囲気。
狂気に満ちた 強い眼力と
ふと魅せる視線を変える弱さ、はかなさ。
そして あくまでくずさない高貴さと 強さ。
妖艶な 立ち居振る舞い。
湖上でのヨットでの情景描写のみごとさ。
最後は 葵を 呪い殺すのですが、
能楽 「葵上」の 鬼女
六条の御息所の生霊を
みごとなまでに 演じたと感じました。
あまりの 凄まじさに 鳥肌が立ちました。
演出家の手腕も もちろんですが、
六条康子役の 入魂の演技だったと 思います。
明日からの
あと三回 頑張っていただきたいものです。
命をけずる演技に 心配でなりません。
「あらすじ」
入院して毎夜うなされ苦しむ妻・葵のもとへ、
美貌の夫・若林光が見舞いに訪れた。
看護婦によると毎晩見舞いに来るブルジョア風の女がいるという。
光が病室にいると、和服姿に黒い手袋をつけた六条康子が現れた。
光と康子はかつて恋仲であった。
毎夜、葵を苦しめていたのは嫉妬心に駆られた六条康子の生霊であった。
康子(生霊)は光の気持ちを自分のほうへ向けようとする。
病室に、かつて2人で乗った湖上のヨットが現われ、
康子は幸福だった昔の思い出を語り出す。
その不思議な魔力によって、一瞬、妻の葵のことを忘れそうになった光だったが、
葵のうめき声で我にかえり、康子の愛を拒絶する。康子は消えていった。
病室の光はふと思いついて、六条康子の家に電話をかけた。
康子(生身)は電話に出て、ずっと家で寝ていたと言う。
その時、病室のドアの外から、さっきの康子(生霊)が、忘れた黒手袋をとって頂戴と光に声をかけた。
受話器をそのままにして光は病室から出て行った。
そして受話器から康子(生身)の、「何の用なの? もしもし、光さん、もしもし」という声が響く中、
突然、葵が苦しみ出し
床の上に転がり落ちて死ぬ。
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