連続記録集

同じ俳優が出演し続けた映画シリーズとして「寅さん」が、
また、同じMCが平日連続の帯番組として「笑っていいとも」がギネス入りしておりますね。

ギネス級には及びませんが、私にもいくつかの連続記録がございますのでご紹介してみましょう。

◎連続すき焼き記録
　父は無類のすき焼き好きでございました。
　社内旅行に行ってもお土産の一つも買ってこない人でしたが、
　すき焼きが食べたくなると自分で材料(肉のみですけれど(笑))を買って来るのです。

　連続記録となりましたのは、父がすき焼き肉を買ってきた夜から始まりました。

　父の友人が猟友会の方で猟の季節になりますと雉(当時は狩猟許可鳥獣でした)ですとか、
　狸、兎、猪、熊などの肉を分けて下さっておりまして、
　すき焼きをした次の日に、それらの肉を持って来て下さったのです。
　父が買った牛肉から始まりまして、順にすき焼きの具になりました。
　結果、一週間に6日すき焼きが続くすき焼きウィークとなったのでございます。

　他に調理の仕方はいくらもあるのに全てすき焼き・・・。
　それ以来「ご馳走」の中からすき焼きは降格となりました。

◎連続練り物記録
　小中学校と違い、高校では給食は出ませんのでお弁当が主流となります。

　あれは忘れもしない高校2年の夏間近、お弁当に異変が起こりました。
　蓋を開けますとそこにあるおかずは全てが練り物。
　卵焼き風、からあげ風、ワカメ入り、チーズ入り、カニカマ、かき揚げ風、三色団子風、
　タコ入り等のかまぼこ類、チーズ入りちくわ、ちくわの磯辺揚げ、赤天、さつま揚げ等、　
　感心するほどのバラエティーに富んだ練り物の数々が毎日種類を変えて詰められております。
　練り物以外は漬物だけ・・・。

　一週間続いたところで母に練り物ばかりな理由を問いますと、
　仕事帰りに食材を買える店は近くに１軒しかなく、
　当時は民家が少ない地区でしたので長期保存がきく練り物が多いのだとか。
　お弁当箱の蓋を開けるのも嫌になり、
　食事代をもらって購買でパン等を買う事にしてもらいました。

　練り物類は、もう一生分くらい食べた気が致します。
　それ以来、おでん以外で練り物を食べたいと思う事は皆無となりました。

◎連続蕎麦記録
　ある年の暮、家族の多い我が家は年越し蕎麦用に、
　お代わり分を計算したそれなりの量の半生蕎麦を買い込んで参りました。
　すると、直後に生蕎麦をお歳暮に頂いたのでございます。
　父の部下で実家が製麺所を営んでいらっしゃるので毎年頂いておりましたが、
　ご不幸があった後ですので、よもや送って下さるとは思わずにいたのです。

　大晦日の夜に第１食、翌朝に第２食と蕎麦の消化が進んで参ります。
　元旦の夜で４食、２日も3食とも蕎麦、３日も３食が蕎麦、
　「蕎麦は好物だから毎日でも食べられる」と豪語していたのに、
　父だけが３日目の昼には音を上げてしまい消費要因から脱落。
　４日目の朝、やっと蕎麦が尽き、11食に渡る蕎麦責めから開放されたのでした。
　
　何と申しますか、一種の達成感のようなものを感じたのを覚えております。

「ご馳走も毎日続けばご馳走ではなくなる」
比喩でなく、実際に体験致しました私の感想は、
「ご馳走ではなくなる」のではなく「嫌になる」が本当のところでございます。

そのくらい何ともないと軽い気持ちでチャレンジなさるのは、お勧め致しません。
字面で見るよりずっと過酷な記録ですので。