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- 女装のまま女性として日々を暮らしております。
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繋がる刹那・・・その10
2019年08月25日 22:33
あら?もしかして、お久しぶりだったかしら^^
やっと、ここまで編集が出来たんだわ~ん!
でも、なんか、最近の編集は内容の変更よりも、点と〇の付け直し~からの~増幅なんだわん
あたしって、ほとんど、点と〇を付けないままで書いていたのよね。
という事で、それでは、先程、編集したばかりの、「繋がる刹那・・・その10」を^^
繋がる刹那・・・その10
直美は、省吾と話している自分に驚いていた。
というより、省吾と話をしているうちに、少しずつ、夏樹の考え方が、分かり始めてきたような気がしていた。
あの時、夏樹が言った、自分の子供たちに対しての言葉の意味が。
もっと言えば、夏樹は、直美との会話の中で、悟られないように、それとなく、ある事を伝えていたのだと思った。
それが、少しずつ分かり始めた直美には、省吾が話す言葉には、意識してか、無意識かは分からないが、まだ、自分が損をしないように言葉を選んでいる。
いや、言葉というよりも、考え方といった方が、分かりやすいかもしれない。
直美には、そんな省吾の考え方が、手に取るように分かってしまうのである。
「まあ、いいわ。そのうちでも、いつでもいいから、お父さんに伝えたい言葉があるようだったら、私に連絡をちょうだい」
「はあ・・・」
直美は、その事を教えるべきかどうか迷ったが、今は、まだ、何も言わない方がいいのかもしれないと思った。
自分の手を汚さないで手に入れた答えなどに、何の価値もない・・・。
この場合は、自分で苦労して・・・ではなく、自分の手を汚さないで。が、正解なのだから。
確かに、省吾は苦労はしている。あの時から、自分の両親である夏樹さんと京子が離婚してから、それなりに、社会という世界も、そして、その社会から見られる、自分の存在価値も経験したのだろうし。
学歴がないというハンデも、お金がないという惨めさも、人並みには経験しているのも分かる。
しかし、ただ・・・それだけ・・・なのである。
それ以上でも、それ以下でもない・・・。ただ、それだけの事・・・なのである。
なす術がないわけではない。ただ、見つけようとしないだけ。
現状を打開する方法がないわけではない。ただ、その方法を探そうとしないだけ。
自分の未来に可能性がないわけではない。ただ、その可能性を眺めているだけ。
もし、すがれるのならわらにもすがりたい。その願いに、損得勘定が入り込んでいるだけ。
もし、夏樹と話をしていなければ、直美も気がつかなかったかもしれない。
それ以前に、今、こうして、省吾と話をしてみたいとも思わなかっただろう。
省吾も、亜晃も、京子という親友の、ただの子供たちにすぎなかったはずである。
親が、我が子を気遣う繊細さと、そして、その我が子を想う心の凄みを。
今さらながらに、あの時の、夏樹の言葉の意味に、驚きと、想いの奥深さを、思い知らされた直美だった。
夏樹さんは、自分の子供たちの事を、何とも思っていないみたいな事を言ってたけど。
なるほどね。あえて、子供たちを他人として扱う事で、親子という概念が、子供たちに及ぼす見えない悪意を断とうとしたのね。
子供である省吾君たちが、親という立ち位置にいる夏樹さんと、もう一度関係を持とうとすれば、そこには、必ず、損得勘定が生まれてしまう。
特に、あんな、離婚の仕方をすれば尚更だろうし。
そして、それは、たとへ意識をしてなくても、省吾君たちの心の中には、無意識の悪意が芽生えてしまう。
そんな、愚かな人間にはなって欲しくないという、夏樹さんの、親としての優しさなのかもしれない。
ってかさ、もし、その意味に、私が気がつかなかったら、どうするつもりだったのかしら?
でも、私は、その意味に気がついた・・・。う~ん、相変わらず、夏樹さんって謎だわ。
省吾と別れた直美は、夏樹が住んでいた貸家の見える道路に車を止めて、いつもの缶コーヒーを飲みながら、スピーカーから聞こえてくる、いつもの曲を聴いていた。
でも、省吾君は気かつくかしら?
夏樹さんなら、こう言うんだろうな~。
気がつかなければ、それまでの事よって。素っ気なく、女言葉で。
直美は、夏樹が住んでいた貸家を眺めながら、(あそこで夏樹さんとお話をしたのよね)
そして、視線を、郵便局の方へ移すと、(さっきあそこで雪子さんとお話をしたんだわ)
などと、一人、嬉しそうに笑みを浮かべては、缶コーヒーをゴクリ、また、笑みを浮かべてはゴクリ。
私が、夏樹さんと一緒になっていたらかぁ~。
省吾君は、きっと上手くいってたと思うって言ってたけど・・・そうなのかなぁ~・・・。
と、また、笑みを浮かべては、缶コーヒーに何か話かけている直美だった。
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