夕やけ

久しぶりに早く仕事を終わらせて帰ってきた。

いつも帰りは遅いのだが、ここのところあまりに酷くて、夜風呂に入るのも億劫になるほどだった（ちゃんと翌朝シャワー浴びるけど）

だからというのも変だけど、今日は直帰して早く家に帰ることにした。



まだ太陽が沈んでいないオレンジ色の世界が広がっている時間。

スーパーの白いビニール袋をさげたばあちゃんの隣で小さい子が何事か一生懸命話しかけてる時間。

学校帰りの高校生のカップルが手をつないで嬉しそうに歩いている時間。



オレに欠けていて、きっと一番必要な時間。



普段見ることの出来ない風景と、感じることの出来ない空気が、今日はオレの近くにあった。


家に帰ってきたらお袋が晩飯の用意をしていた。

お袋の隣で、湯の中でたくさんの大根とじゃがいもが踊る鍋に味噌を溶く。

家族そろってメシを食う。



当たり前の事のようで、いつの間にか、それはとてもとてもオレにとって貴重な事になってしまった。