- 名前
- pinkno-bura
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 岩手
- 自己紹介
- 女装のまま女性として日々を暮らしております。
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伝わらない想い・・・その10
2018年10月28日 17:51
今夜は「愛して欲しいと言えたなら」の最新ページをアップしてみるわね^^
あちゃー言っちゃった・・・裕子は心の中でそう思いながら夏樹の顔を見ると
笑みを浮かべなら冴子に優しく二人の紹介をする
「冴ちゃん、こちらの綺麗な女性は裕子さん」
「裕子さん?」
「そうよ、あたしにとってとても大切な人なの」
「ちょっと夏樹さん・・・それはあの・・・」
愛奈には何も言っていなかった裕子が慌てて言葉をさえぎるように声をかける
そんな裕子の気持ちを知ってか知らずか夏樹の口から愛奈衝撃の第二弾が飛んできた
「あら?もしかしてかつてあたしが愛した女性って言った方が良かったかしら?」
あまりに意外な夏樹の言葉にとうとう愛奈がほーしん状態のように固まってしまってしまう
「夏樹さん、ちょっとそれはまだ・・・」
そんな愛奈を見て慌てて取り繕おうとする裕子に夏樹が微笑んで見せる
いや・・・あの・・・夏樹さん、微笑んでいる場合じゃないんだってば!
裕子の心の声が聞こえたとは思えないのだが夏樹は(いいのよ)と答えるようにまた微笑んだ
そしてほーしん状態のまま固まっている愛奈に優しく話しかける
「愛奈ちゃんの一番知りたかった事じゃなかったかしら?」
「夏樹さん?愛奈ちゃんが一番知りたかった事って?」
「愛奈ちゃんはね、あたしと雪子の過去を訊きたくても、いつもはぐらかすような言葉でしか返せないあんたの心情を心配していたのよ」
「えっ?まさか・・・」
慌てて愛奈を見る裕子であったが当の愛奈は、さっきまでのほーしん状態から信じられないという顔に変わっていた
「冴ちゃん、こちらが愛奈ちゃん」
「愛奈ちゃん?」
「そうよ、雪子の娘さんで雪子の一番大切な愛奈ちゃんよ」
「雪子おば様の?」
夏樹の言葉にひかれるように愛奈が冴子の前で夏樹と同じようにしゃがむと
「冴ちゃん初めまして愛奈です」
「はいです^^初めまして冴ちゃんです」
愛奈と冴子の挨拶に合わせるように裕子も一緒にしゃがんで冴子に挨拶をする
「冴ちゃん、中でプリン食べよっか?」
「はいです^^クマックマくんと一緒に食べるですよ」
「きっとまたお庭で絵本を読んでいると思うからクマックマくんの分のプリンも持っていってあげといいわね」
「はいです^^」
そう言うと冴子は玄関で待っているおばあちゃんに(ただいま)を言いながら中に入っていく
「裕子、ご苦労だったわね、疲れてない?」
「ううん大丈夫、久しぶりのドライブだったから楽しかったかも」
「でも、よく迷わないで来れたわね?」
「出る前に地図を見たから・・・」
「それで迷わないで来れるんだからやっぱあんたってすごいんだわ」
「そうかな~・・・」
「そうよ、あたしだったらきっと100回くらい迷ってると思うわよ」
「それってもしかして褒められてたりして・・・というか少しは心配してくれてたの?」
「そりゃそうよ、雪子の大切な愛奈ちゃんを乗せているんだから心配し過ぎて夜もぐっすり眠れてたわよ」
「あはは・・・って、私の心配は?」
「しないわけないでしょ・・・ほら、あたしたちも中に入るわよ」
昔から変わらない夏樹の照れ隠し・・・
チラッとだけ触れるとすぐに話題を変えてしまう可笑しな癖
裕子は自分が愛した夏樹の今も変わらない仕草に懐かしみながら夏樹の後を歩くようについていく
と、ここでまたまた愛奈のほーしん状態が再発し始めていた
夏樹と会話をしている裕子の姿が今まで自分が知っている裕子の姿とは別人のように
まだ若い愛奈にはどう表現したらいいのか分からないのだが
(もしかしたらこれが女の顔なの?)そう思わせるには十分な女の色気というか魅力というか
愛奈の知らないもう一人の裕子がいる事に母親である雪子のあの日の姿が重なっていた
「愛奈ちゃん、おいで・・・」
優しく呼ぶ夏樹の声に(確かさっきおじ様って冴ちゃんが)・・・
自然と愛奈の視線が夏樹の不思議空間のあたりを漂っていた
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