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「次世代療法で血液がん治験」
2017年07月27日 22:41
「次世代療法で血液がん治験」
自治医科大病院やバイオ関連企業のタカラバイオ(本社・滋賀県草津市)などは、遺伝子を改変してがんへの攻撃力を高めた免疫細胞で、血液のがん「急性リンパ性白血病」の重症患者を治療する臨床試験(治験)を、2017年度から始めます。
「CAR遺伝子治療」と呼ばれ、次世代のがん治療法として注目されています。
海外の臨床試験では高い治療効果が報告されており、20年度の薬事承認を目指します。
CAR遺伝子治療・・免疫細胞表面に、がんを認識する「アンテナ」の役割を持つ人工のたんぱく質「キメラ抗原受容体(CAR)」を作る遺伝子を細胞内に入れ、攻撃力を高める。海外では血液がん以外に、肺がんなどへの応用も研究されている。
急性リンパ性白血病になると、がん化した血液の一部の細胞(白血病細胞)が、骨髄内で急速に増え、正常な血液細胞が作れなくなります。抗がん剤などの治療法はありますが、再発すれば既存の治療が難しくなります。国内では年間400人が発症すると推定されます。
CAR遺伝子治療では、患者から取り出した免疫細胞に、人工的な遺伝子を加え、白血病細胞の「目印」となるたんぱく質を認識できるようにし、目印を狙って攻撃できるようにします。そして、この免疫細胞を大量に増やし、患者の体内に戻すのです。
治験は、急性リンパ性白血病の再発患者などの既存の治験が行えない重症の成人二十数人を対象に計画しています。
今年1月、自治医科大病院を含む、三重大病院、東京大医科学研究所病院など6施設で治験を行う計画が、薬の承認審査を行う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に提出されました。計画は認められ、現在は自治医科大病院などで患者募
集を始めていて、4月以降に治療を始めることになっていたようです(もう開始されてるはず)。
CAR遺伝子治療は、米国の医療機関で行われた複数の臨床試験で、急性リンパ性白血病の7~9割で、白血病細胞がほとんど消える状態になったとされています。一方、海外の臨床試験では、2~3割で発熱や血圧低下などの重い副作用も報告され、今回は、副作用を抑える薬剤も活用します。
小沢敬也・東大医科研病院長(血液内科)は「臨床現場に早く導入できるよう、安全性と有効性を慎重に見極めたい」と話していたそうです。
玉田耕治・山口大教授(免疫学)の話「海外と同等以上の有効性が示せるかに注目したい。治療後も再発するケースがあり、長期的に患者の状態を観察する必要がある」
(読売新聞2017年(平成29年)3月25日付)
急性リンパ性白血病の患者から取り出した免疫細胞に、人工的な遺伝子を加え、白血病細胞の「目印」となるたんぱく質を認識できるようにして、この目印を狙って免疫細胞が攻撃できるようにします。この免疫細胞を大量に増やし、患者の体内に戻すという治験を行う。海外の治験では、急性リンパ性白血病の7~9割で、白血病細胞がほとんど消える状態になったとされた一方、2~3割で発熱や血圧低下などの重い副作用も報告されています。画期的な療法のようですが、安全性や有効性を見極め、治療後の再発なども起こりうるので、長期的に患者の状態を観察する必要があるようです。
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