- 名前
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- 年齢
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- 自己紹介
- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
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ちょいと奇妙な物語 その1「デジ太郎」
2016年07月09日 21:10
高校2年の時の、ある級友の話です。
その子の名を、仮に「デジ太郎」としましょう。
本題に入る前に。
なぜ「A君」とせず、わざわざ「デジ太郎」なんて仮名にしたのか。
それは、彼の名前がなかなかに特徴的なものだからです。
少なくとも。
今までの、私の級友や同僚に、同じ名前の男性は一人もおりませんでした。
彼だけです。それぐらい、珍しい名前です。
そういうこともあり。
普通、男子ってのは名ではなく姓で呼び合うものですが、
彼の場合は名で呼ばれていました。これはまぁ、珍しい名でなくても、
時々あることです。
「アキラ」とか「ヒロ」とか。貴女のクラスにもいましたでしょう?
印象的な珍しい名前であり、だから私のクラスで彼は、
その名前で呼ばれていた。それを感覚的にも理解して頂く為、
こういう仮名にしました。
では本題。
そのデジ太郎君ですが、彼は決して、不良ではありませんでした。
私のように、何だかんだと妙な主張をする変人でもなく(ほっといて下さい)、
口数も少なめの、大人しい子でした。
が。
異様に頻繁に、欠席してました。病弱という風でもなかったですから、
家庭の事情でもあったのか、何なのか。
ともあれ。
このままでは、出席日数足らずで留年するのでは?
なんて心配しておりました。が、学校に来ること自体が少ないこともあって、
私もあまり会話する機会がなく。あっても詮索するのは気が引けるしで。
そんなある日。
下校途中の電車の中で、吊り革を掴んで立っておりますと。
背後から、こんな会話が聞こえてきました。
「デジ太郎、学校やめてまうんかなぁ」
「そうかもしれへんなぁ」
振り向いた私の目に映ったのは。
……他校の生徒でした。
さて、どう思われます?
この時会話していた2人のクラスに、同名で同状況の「デジ太郎」がいた?
しかし、くどいようですが珍しい名前です。そうそう同名はいません。
同名かつ同状況の人が、たまたまこんな近くにいた、というのは考えにくい。
また。
姓ではなく名ですから、私の知るデジ太郎君の家族(同じ家庭事情の子)、
つまり兄や弟のことを言っている、ってこともない。
2人が言ったのが姓であれば、デジ次郎君の兄弟の話だったのかも
しれませんが、そうではありません。
私の聞き間違え?
いや。なにしろザワザワしてる下校時の電車の中で、
ぼ~っと突っ立ってた時に、そのザワザワの中から飛び出して、
私の耳と意識に突き刺さった単語です。
類似品だった、間違えた、とは思えません。
それは。
特徴的な名であり、私が普段、ちょっと意識してる名前だったからこそ、
起こった現象。これが「太郎君」や「デジタル時計」だったら、
ザワザワの中に埋もれて聞き流していたはず。「デジ太郎」だったからこそです。
(これをカクテルパーティー効果といいます)
他に考えられるのは。
この、会話してた2人が、デジ太郎君の中学時代の同級生?
それもちょっと無理があります。
他校に進学した彼の現状を追跡調査? して知ってて、
心配して、会話してる、というのは。仮にご近所だとしても、
いわゆる「主婦の井戸端会議」みたいに話が伝わるものでも
ないでしょう。男子高校生同士(しかも他校の生徒)のことです。
それに。
もし、デジ太郎君が中学でも同じような状況だったら。失礼ながら、
そうそう付き合いの深い友人が多かったとも思えませんし。
いたとして。
その数少ない友人が、たまたまその年の彼の同級生である私と、
こうして巡り合って、狙い澄ましたように会話が耳に飛び込んだ、って。
それは、まるで宝くじに当たるかのような、奇跡的偶然なわけで……
これが。
私の体験した、オカルトってわけでもありませんけど、
ちょいと奇妙な物語です。
タラリラリ、タリラリラ、タラリララッタ、タララララ~
☆☆ちなみに☆☆
3年の時のクラス替えで、デジ太郎君とは別れてしまったので、
彼が留年したのか退学したのか、無事に進級したのかは謎です。
とりあえず、3年生の一年間、一度も会いはしませんでした。
このように。
クラス替えでこうなるのですから、他校に進学した友人のことを、
そうそう知ってる・日常会話に出てくる、というのは考えにくく。
では一体……?
このデジログへのコメント
んーー不思議な現象ですね(汗)
むりやり、こじつけて考えてみると
Facebookみたいなのに、本名で自分のことを
書き込んでて、それを読んでる同年代の子がいた、、みたいな
偶然にしても、すごい
> はぎんちょさん
四半世紀昔の当時。私の周囲では、携帯電話はおろかポケベルすら誰も持ってませんでしたぜぃ。
まぁ現実的には、やはり私の聞き間違えってことなんでしょうね。
にしても……う~ん、です。
んー、どうなんだろう
うちの会社にも物凄い特徴的な名字の子がいるけど
例えばデジ太郎君がステファニーとか日本人ならあり得ない名前じゃなければ
0.1%ぐらい同名の人がいた可能性が捨てられない
> とめおさん
名前だけなら、まぁ学年に一人ぐらいはいるかも、ってレベルなんですけどね。
同名かつ似たような生活状況ってのが。そこまで重なると……
私自身は、ありふれてますんで同姓も同名も多数。
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