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「地球に暮らす生命の起源は何であるのか」

2015年08月24日 01:14

「地球に暮らす生命の起源は何であるのか」

というのは、数ある疑問のなかでも最も古くからある疑問だ。このたび、米カリフォルニア大学バークリー校やハワイ大学マノア校の化学者らによって発表された実験では、地球からはるか遠い彼方にある宇宙空間(deep
space)※における状況がシュミレーションされた。※深宇宙とも訳されることがある。その結果わかったのは、宇宙空間では複合的なジペプチド※がつくられうるということだ。※ジペプチド(Dipeptide)とは、2つのアミノ酸が1つのペプチド結合で結合した分子のこと。つまりこの研究結果が示唆するのは、ジペプチドのような生命に必要不可欠な基盤とも呼べるようなものが、まずはじめに惑星間にある氷の塵芥の上でできた後に、それから彗星隕石などによって地球に運ばれてきて、そこで晴れて生命が"花開いた"可能性がある、ということだ。「生命が出現する発端になった最も基本的な生化学的な礎が、実のところ地球外に起源をもつものであったのかもしれないというのは魅力的な考えです」と語るのはカリフォルニア大学バークリー校の化学者Richard
Mathiesで、彼は先週オンライン上で発表された論文の共著者でもある。因みに論文は学術誌3月10日付でThe Astrophysical
Journalに掲載される予定だという。これまで、地球に堕ちてきた数多くの隕石アミノ酸のような基礎的な有機分子が発見されることはあっても、地球で栄えているような生物に前もって必要となるもっと複雑な分子構造をもつものが見つかったことはなかった。結果として、生命の非常に複雑な化学プロセスは、地球黎明期における深海などで起こったに違いないと考える科学者がたくさんいた。今回の実験では、絶対零度を10度上回るくらい低温に冷やされた超高真空室(ultra-high
vacuum chamber)内で、二酸化炭素アンモニアメタンやエタン、プロパンのような様々な炭化水素を含んだ、宇宙空間にあるような氷の塊(icy
snowball)がシュミレーションされた。この塊に、まるで宇宙空間を飛び交う宇宙線さながらに高エネルギー電子をさっと当ててみた結果、化学反応が起きて、複雑な有機化合物が形成されたという。複雑な有機化合物ーーーつまり、生命に必須であるジペプチドだ。以上の実験はハワイ大学の研究者らによって行われたが、それから、カリフォルニア大学バークリー校のMathiesやAmanda
Stocktonらによって、Mars Organic Analyzer※という実験機器が用いられてその残留物が分析された。※Mars Organic
Analyzer(火星有機物分析器)とは、太陽系内にある小さな有機分子を非常に感度良く検知し、特定することのできる分析器。Mathiesによって設計された。分析の結果、9つの異なるアミノ酸と、少なくとも2つのジペプチドが検出されたという。これらの有機分子は、たんぱく質酵素、糖などのより複雑な分子の形成をーーーつまり地球上における生物学的な進化をーーー触媒することができるとみられている。

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