- 名前
- ポマポマ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- はじめましてこんにちは。 ポマポマといいます。 絵を書くのが好きで漫画など書いてます...
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三途の川高校 前編
2013年12月30日 12:00
三途の川高校
はじまり1
川の先には町が見えている
その川を一生懸命を泳いでいる
一人の少年がいる。
「戻らなきゃ…早く…」
「うっ!」
水面に顔をだしていた少年は
足の痛みに耐えかねて水面に顔を沈める
顔を沈めた水中の川の底に
病院のベッドに横たわって
包帯で全身をぐるぐる巻きにされた少年の
姿が目に飛び込んでくる。
一瞬、少年は目を見開く
「あれは…誰だ?」
そのとたんに川の水が彼の体を
元いた場所に戻し始める。
水はまるで人の手のように彼の体にからみついて
彼を岸へ押し戻す。
またあそこに戻るのか
彼が引き戻された岸の近くに
学校がたっている。
三途の川高校 起2
ここは三途の川高校
死んだ子供はここで過ごす49日の間
転生するために転数を貯める
高ければ人間、低ければ虫や魚
に生まれ変わる
ここは天国ではない
地獄のほとりにある高校だ
三途の川高校の校庭
生徒の前に立たされる少年
閻魔大王の姿が蜃気楼のように写っている
鬼の理事長
「如月ユウキ!自分のしでかしたことがどれほど
罪深いのかわからぬか?
閻魔大王様に拾われなければ
今頃お前は賽の河原でさまよっていたのかも
しれないのだぞ!」
ユウキは黙っている。
閻魔大王「ユウキよ、一つ質問をしよう。
お前の目の前で人が溺れているとしよう
お前は木の板に捕まっているがその人が
お前の板に手をかけてきた…板は2人捕まれば沈む…
お前ならどうするかね…」
「俺なら…俺なら相手の手を押しのける…」
その応えに生徒たちがざわついた。
「ひでぇ」「人間かよそれでも」
理事長
「そんなことだから川を越えられぬのだ
申し訳ありません、大王様。上条よ模範解答を!」
「はい、大王様。私ならきっと自分の板を相手に差し出します。
自分を犠牲にしてでも相手を助けるのは人として当然です」
閻魔大王は上条をみてニヤリと笑った。
「ははははは」
理事長
「わかったか如月ユウキ」
ユウキは下を向いたまま
三途の川高校 承1
校舎に向かう途中で上条とすれ違う
「ちぇっ加点もなしかよ、馬鹿を助けるなんて閻魔も腐ってやがる」
「そうですよ、上条さんの答えは誉められてしかるべきですよ」
「礼ぐらい言えよ如月」
上条はユウキの胸ぐらをつかんで壁にたたきつける
「助けてなんて頼んでない…。」
「お前人間に生まれ変わりたいんだろ?」
「人間になんて興味ない。」
「せいぜい虫けらにでも生まれ変われよ屑 能なし」
今頃、俺は一ヶ月後のサッカーの全国大会に向けて
練習しているはずだった。
あの事故さえなければ。
トラックにはねられる映像
寮の一室
小関がベッドに横たわるユウキに声をかける
「僕は君は間違ってないと思う…僕も同じように応えたと思う」
「僕は1白血病で17年のうちに学校なんて数えるほどしか
言ったことないんだ。みんな、可愛そうって簡単に言うけどさ
誰も代わってはくれない。僕も同じ立場ならきっとそうする。
僕は弱いから…。心も体も」
お前、小関だったっけ。
うん。
俺なら、病室で十何年も
磔にされたら自殺する。
強いんだな小関は…
うううう
!?
どうした
今まで強いって言われたことないから
うれしくて
おいおい大丈夫か…
ユウキは小関のところへ行き
背中をさすってやる
ユウキくん、友達になってもいい
え。いいよ・お前、なんだか俺の友達に少し似てるよ
ほんとに!
やった、君が初めての友達だよ。
一緒に人間に生まれ変わろうね
絶対、絶対だよ。
三途の川高校 承2
鬼たちは生徒たちを
馬車で針の山に運ぶ
針の山は頂上をのぞいて針がつきだしており
その間を縫って頂上を目指さねばならない
鬼の教官の一人が
棍棒を持って地面をズシンとならして
説明する
今日の授業は地獄の針山登りだ
日の入りまでに上れない奴はここに置いていく
登り切った順番で転数を加点する!
上条は一方方向を指さして
ここから上った方が
早く上れる、さっき鬼が教えてくれた
え、本当
さ、みんな先に行け
上条はアカネにも手を伸ばす
しかし、アカネはその誘いを断った
あなたの名前ネットで見たことあるわ
外では有名進学校に通う優等生
でも家の中じゃ両親に暴力をふるう
まるで鬼…殺されても仕方ないわね
う、うるさい
あの女…殺してやる…
小関、ユウキは2人で針の山を上っていく
おーい小関頑張れよ
も、もうだめだよ僕は
すると彼らの隣を
アカネが上っていく
それをユウキはじっとみていた。
すると小関も登り始めた。
僕もガンバらなきゃーっ
すると頂上に上条の姿がある。
鬼が石を持っている。
やれ、という合図とともに鬼が
石を投げる
転がった石は針の山を登っている
生徒たちにぶつかって生徒たちは落ちていく。
同じ頃アカネの上にも石が転がってくる
落ちるときにアカネはユウキの服のすそを引っ張っていく
ユウキくん!
砂煙の中で、数名の生徒が針に刺さり
身動きがとれなくなっている
助けて、ねえ、助けてよ
と助けを求めているが
他の生徒たちにその余裕はない
いったーい
といって足を押さえている
ユウキはアカネに近寄って
手をさしのべる、大丈夫か
その手をはねのけるアカネ
ほっといてよ
どうせ加点ねらいでしょ?
あんたも上条も変わらないわよ
どうしても手を取るって言うなら
私をおぶっていってみなさいよ
きゃ!
ちょっと本当におぶっていく気なの?
そうしろっていったのはお前だろ!
アンタ馬鹿じゃないの!
勝手に言ってろよ。
夕日
頂上には数名の生徒登り切っている
日没が近い
頂上で登り切った生徒の一人は上条に
くってかかった。
上条、お前自分を犠牲にしてでも
相手を助けるっていったじゃないか
ああ
やってることがちがうじゃないか
ではなぜお前は行かないんだ
なぜ他の奴を助けてここまで来なかった
お前らに俺を責められる資格があるか
ユウキくんが
ユウキはアカネの手首の傷をみた
日が沈みそうなところで登り切った
周りの生徒たちはあっけにとられている
小関はユウキのそばに駆け寄る
大丈夫?ああ、大丈夫だ。
四つん這いになっているユウキの視界にアカネの足が
なんだ、おまえ立てるのか
当たり前でしょ死んでるんだから痛い訳ないじゃない
上条はそれを見て舌打ち
三途の川高校 承3ー2
夕方、教室で補修に励む小関とユウキの前に
とつぜんアカネが現れた
補修は分厚いノート一冊分ある。
2人は机を向かい合わせにしている
補修ってこんなたくさんできないよ…
はぁ…
これで転数がもらえるんだから
がんばろうよ
自分の短所を100枚でカケだってさ
そんなのわかんないよ
僕なんて足りるかな…
バサリとドリルを落とす
アカネである。
それ写し終わったら返してね。
後ろを向いて去ろうとするアカネ
あ、そうだついでだから
あなたたちの短所教えてあげる
小関、アンタは卑屈すぎ
もう少し自分を好きになった方がいいわ
如月ユウキあんたは
欲張りね…
ユウキは少しドキッとする
その途端に小田が女性を負ぶっている
姿が浮かんだ
足に痛みが走る。
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