- 名前
- ポマポマ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- はじめましてこんにちは。 ポマポマといいます。 絵を書くのが好きで漫画など書いてます...
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短編 メリークリスマス!
2013年12月24日 02:15
プレゼント
登場人物
男の子 中学生、背が低くてぱっとしないメガネの男の子。クラスメイトからいじめられている。
女の子 高校生、一見いいところのお嬢さんであるが、母親に縛られている。
男 社会人、日雇いで働いている男性。ネットカフェ難民。
おばあさん 老人ホームに置いてけぼりにされた老人。職員に弄ばれる日々を送る。
怪獣、突然海から現れた黒い大きな生き物。
恐竜のようである。海から街へ向かって破壊の限りをつくす。
フロー
クリスマスの前日。
華やかな一日も彼らには普段から続く苦悩の日々の延長にすぎなかった。
中学生のまさるは今日も学校裏に呼び出され、暴力のすえ金を巻き上げられた。
そしてそれを知っている先生ですら何も言わないで見過ごす。
女子高生のかずみは母親が若い男と不倫しているのを知っている。
母親は離婚した父親に似ている彼女に何かにつけて当たり散らす。
あなたなんて産まなければよかったと今日も言われている。
28歳のよしおは今日も海の近くにある工場で人知れず
荷物を運ぶ仕事をしている。彼の名は数字で呼ばれる。
ここでは名前などで呼ばれない。経営者は彼らが日雇いなのを
いいことに暴力で彼らを支配している。
98歳のトキは今日も老人ホームでベットに横たわって
下の世話を20代の職員に始末してもらっている。
職員は彼女が喋れないことをいいことに、罵声を浴びせかけながら
彼女の面倒を見る。
彼らにとってクリスマスは日常の
延長でしかなかった。
彼らにとってクリスマスは他人ごとでしかなかった。
忌々しい日でしかなかった。
サンタは彼らにプレゼントをくれた。
それは突然、海に現れたのだった。
海の中から現れた黒い怪獣。
怪獣は海を割って現れそのまま
街へ向けて歩みを始めた。
街の大きなテレビにその様子が映っている
怪獣はまず波止場へ上陸した。
荷物を運んでいた労働者たちは
あわたふためき逃げ出した。
しかし倉庫には鍵がかけられている
雇い主は彼らをほおって逃げ出したようである。
大きな地響きとともに大きな足が
倉庫の屋根を突き破って現れた。
そして労働者たちはそうこの外へ飛び出す。
雇い主たちを探して彼らは出て行った。
同じ頃、
中学生のまさるは塾に行く途中で
彼をいじめる同級生に捕まった。
人気のない橋の下に連れて行かれ
財布を取られたが1000円しか入っておらず
生徒たちに滅多打ちにされる
彼らは落ちていた鉄バットで彼を殴る。
彼の口から血が流れた。
仰向けに倒れた彼の視界に入ったのは
口から破壊光線を放つ怪獣であった。
戦闘機が怪獣を取り囲んでいる
同じ頃
かずみは家にいて母親の若い再婚相手が
何かにつけてイチャイチャしているのを
快く思っていなかった。
再婚相手はかずみにプレゼントとして
ブランドもののネックレスを渡した。
母親は彼女に彼を父親と呼べと強要する。
そこへテレビのニュースで怪獣が
現れたと聞く。3人は車に乗って家を出る。
都心に近い場所についた怪獣
その足元には高層ビルの老人ホームがある。
ホームでは若い介護職員たちが
老人たちを廊下に出して運搬しているが
彼らの口からでるのは
「ババアなんておいて行こうぜ!」
という心もとないもの
逃げようとした職員たちは入り口に
現れた怪獣の口に一人ずつ飲み込まれた。
老人たちはそれを見て笑っている。
内閣府では怪獣への対策会議が
行われている。自衛隊から
戦闘機を配備しさらにアメリカ軍から
援助も要請する。
怪獣は都心へ突き進んできた。
戦闘機は怪獣に銃口を向けて攻撃を開始。
ロケット砲が数発発射される。
その様子を
波止場でよしおを含む労働者たちが
見上げていた
逃げる途中で渋滞に巻き込まれた
かずみもテレビでその様子を見ていた
まさるは橋の上でその様子をみていた
老人ホームのトキは人工呼吸器を
つけながら天井を見ていた
その窓の先には怪獣の姿
戦闘機から放たれたロケット砲は
全弾命中し怪獣の体は煙に包まれた。
その時偶然にも
面識もない年齢も違う
境遇も違う4人の心に同じ言葉が浮かんだ
死ぬな…!!
煙が風に巻かれた後
煤にまみれた大きな黒い
塊が現れた。
戦闘機が確認のために近くに
よると大きな瞳がカッと見開いた。
そして大きく息を飲んだかと思うと
怪獣は口から破壊光線を放った。
それは内閣府に命中した。
よしおは俺たちも行くぞといって
その場にいた労働者たちを引き連れて
雇い主を探しに行く。
雇い主たちは倉庫街の一角に隠れていたが
労働者たちに取り囲まれた
雇い主はよしおを番号で呼んだが
よしおは言った。
俺の名前は番号じゃねぇ!
その掛け声とともに殴り合いの喧嘩になった
まさるは同級生たちを追いかけて
いた。彼の手には金属バットが握られている
うっすら笑いを浮かべてまさるは
彼らに近寄る。やめてくれと言う
同級生たちを片っ端から金属バットで
叩きのめす。
車に乗っていたかずみは
車から飛び出した。
それを追いかける再婚相手が
彼女の肩に手をかける
「きたねぇ手でさわんじゃねーよ
この糞野郎が!」
「父親ずらすんじゃねーよクズが!」
そこへ母親がやってきて彼女を
咎めるが
「いいとしこいて若い男とイチャイチャ
しやがっててめーなんか母親じゃねーよ
ただの雌豚だ。くそばばあ!」
かずえは一人家に戻った。
その道中で晴れ晴れしい顔をしている。
老人ホームの時は怪獣が戦闘機を握りつぶすのを見て微笑んでいる
怪獣が雄叫びをあげた時
4人は笑っていた。
歓喜に近い雄叫びである
メリークリスマス!!
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