黎明

夜明け前が最も暗い

今はそんな時代なのかもしれない

それでも笑っていられることは、感謝に値するだろう


何かが始まる時

それは何かが終わる時

終わらせなければ始められない


辛いことを一つ乗り越えたら

幸せになるのだろう


何かが変わるときというのは

いっぺんに起こるもの

誰かが先頭切って変えるものでもない

自然に変わってゆく


人の道からどんどん大きく外れていけば

人はやがて道を修正しようとする

それは本能としてあるもの

自らの心に素直であれば

変化の先は自ずとわかる

変化を恐れ

もしくは現状に執着し

道を大きく踏み外しても

そこに固執するならば

淘汰される


ついつい怒りを感じてしまう今日この頃の世の中だけど

怒りは決して幸せを連れてこない

正義の怒り

そう思いこんでいるもの

正義とは　怒りを正当化する屁理屈でもある

義を重んじ

礼を尽くすことを知っていれば

正義を振りかざす愚はおかさない


賢人は怒りを手放し

微笑みを絶やさない



時代の変化はすでに始まっているようです

夜明け前の最も暗い闇の中

どんな振る舞いをするのか


夜明けの明かりがあたりに広がり始めたとき

初めて自分の姿に気付くのか

人の目に映る自分自身は

醜態を晒すべからず



心を空に

終わらなければ始まらないように

心が空でなければ新しいものは入らない

飲みかけのコーヒー

そのコップにジュースを入れますか？

心も同じ

色即是空


心に古びたこだわりが残っていると

心は晴れない

一度でも怒りの火がついたこだわりが残っていると

いつでも怒りの炎が立ち上がる

心を焦がし　煤で汚れる

自分の心が見えなくなる


新たに始まらないのは

終わっていないから

心にこだわりが残っているから

コップに飲みかけの覚めてまずくなったコーヒーが残っているから


空に


新しい道は

心が知っている




NOVELA -黎明 　　　THE DAWN OF・・・

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