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ビートルズ

2011年09月12日 09:46

オレはビートルズ演歌だと思っている。

ロックの本流はローリングストーンズだと思っている。ロックからすればビートルズ異端だ。メロデーが美しすぎるからだ。あんな美しいメロデーは他にない。モーツアルトアリアみたいだ。日本人の琴線に合うのだろう。

日本人はどうみてもリズム感に劣るように見える。その代わりメロデーラインは突出している。新内、長唄、みなメロデーでリズム感に薄い。そこへ行くと黒人系はリズム感はすごい。

ブルースリズム感が重ね合わさったのがロックンロールだから、メロデーラインが突出するのは異端でさえある。しかし、ほとんどがこれに陶酔する。R&Bだけでも気持ちがいいのだが、そこへメロデーが追い打ちをかける。これではたまったものでない。

ビートルズと同じくらいメロデーラインが美しいのはABBAだ。二人の女性ボーカルは突出している。

同じシンフォニーといってもハイドンのそれとベートーベンのそれとでは天地ほどにも違う。
ロックといってもチャックベリープレスリーのとレッドゼッペリンやデープパープルズでは同じく天地ほど違う。ビートルズはちょうどモーツアルトの位置にいる。

昔、今なくなって日が経つが、レナードバーンスタインビートルズを現代のモーツアルトと言ったが、たぶん、メロデーラインのことだと思う。モーツアルトアリアは美しい。

R&Bが濃厚に残っている初期のビートルズの方がオレは好きだな。ジョンとポールの分かれ道もこのあたりにある。初期は紛れもなくジョンが牽引していた。中期以降はもうポールの独断場だ。アノ美しいメロデーラインはほとんどポールのものだ。ジョンの本質はイカれたロックンロール野郎だ。ストーンズのキースと同じだ。

ストーンズが今でも続いているのになぜ分解したかって、ジョンとポールの方向の違いがどうにもならなかったってことだ。ミックジャガーとキースリチャーズが子どもみたいなロックンロール野郎だから続いている。二人は高校同級生だからケンカしてもすぐ戻る。
ジョンとポールはそうでない、歳の差もあるし何よりポールジョージもジョンを崇拝していたことだ。こういう関係はこじれるとどうにもならない。愛しさ余って憎しみ百倍になる。

ポールの方向は美しいミュージカルにあったが、ジョンは原点のR&Bにあった。二人が同じ方向だったらストーンズみたいに続いていたろう。

もし、続いていたらビートルズのアノ創造的破壊はない。

ジョンにはもうポール渡り合うだけの創造的破壊の力が残っていなかったってのが、解散の本当の原因だ。ビートルズはジョンとポールの緊張で成り立っていた。どちらかがなくなれば崩れる。

ビートルズの一番の犠牲者は消耗しきってしまった、ジョンだ。だから、狂った。

恩恵を受けたのがポールジョージだ。だから続けようとこだわった。

50年近く前、当時ビートルズよりも人気があったベンチャーズが今でも毎年日本にやってくる。日本の人気は今でも絶大だ。

しかし、やっていることは50年前とまったく変わっていない。日本人ベンチャーズを聞くのは故郷帰りだ。青春サウンド。ま、若大将と同じだな。創造的破壊とはまったく無縁だ。

キリストは死んで復活した、と同じように、あんがい、解散した方がよかったのかも。メモリーはいやが上でも強烈になる。別れて印象が強烈になる。そして伝説に酔う。


若いときの恋は失恋永遠になる、
隣の亭主はどうにもならない粗大ゴミになる。

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