- 名前
- みえだ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 53歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 熱中症で怠くて仕方ない精神科医ですが、お悩み何でも相談して下さいね♪そして私の話しも...
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帰って来た両親
2011年07月04日 17:44
電話が鳴った。相手は確か南アフリカにいる父親からだ。相変わらず一方的に用件を言うと、バイバイと切れる。珍しく日本に来るらしい。両親はずっと海外に赴任し続けているので、日本で一緒に暮らした思い出はない。
『海外転勤族かぁ』
さえぐさ君がぽつりと呟く。
『結構キツイよ。私もカナダ、メキシコ、アメリカまでは一緒にいたけど、後は別々。19のデキ婚で大学出たらいきなり海外勤務だって』
『複雑っすね。いつ来日?迎えに行かないと』
『それが…もう横浜に着いてるみたい』
『え?!ヤバイっすよ!初対面なのにスーツじゃないし』
緊張しながら慌てるさえぐさ君が、妙にかわいい。
しばらくするとマンションのチャイムが鳴った。
『やぁ!』
『元気そうね。上がって』
『おや?イケメンだね?』
両親がさえぐさ君をジロジロ見ている。
『ジロジロ見ないで、余計緊張するでしょ』
『三枝真澄です。薫さんとお付き合いしている、同じ病院の医師で、昔は料理人してました』
『真澄君ね。気に入ったわ。お母さんの好みだわ』
『おいおい、俺を捨てて娘の恋人を奪う気かい?』
『あら、忘れてたわ』
私以上に天然ボケがひどく、よく海外で事故に遭わないでいれるのか、不思議で仕方ない。
さて何年ぶりに会ったのかな?医師になってから初めてかも?医大生の時、札幌を案内した記憶はあるが、それ以降繋がらない。
キッチンではさえぐさ君がお茶を入れている。両親の視線がくぎ付けで、時々コソコソと何かを話している。
『薫にこき使われてないかい、真澄君?』
『大丈夫ですよ。僕が落ち着きないから動くだけです』
『何だかお父さんの若かった頃、思い出すわ』
二人は思い出話で盛り上がっている。緊張しっぱなしのさえぐさ君は笑うことも忘れて、真面目に聞いている。お茶を飲み話すだけ話して買い物に出掛けてしまった。
ようやくさえぐさ君は一息着いた。
『俺、大丈夫だったっすか?』
『うん。気は使わないで、気楽にしてていいよ』
『そう言ったって無理っす。ご両親は仲がいいっすね』
『賑やかでしょ?』
『…これからもずっと仲良くいたいな、俺らも』
このデジログへのコメント
さすが貴女の両親だ。娘に良く似て天然ボケですな?でも、何だか親近感沸いて来た。(笑い)
> みちぼ-さん
親と言っても兄弟みたいだし、一緒に暮らしたの少ないから従兄弟の感覚です
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