- 名前
- ゆりこ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 46歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- ときどき犬型、ときどき猫型。 たぶん、淋しがり屋。
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それは一本の電話・・・(13)
2006年07月12日 15:37
2000年3月。
それは一本の電話だった。
「もしもし・・・?ゆりこ?」
まだ23時だ。
こんな時間に仕事が終わってた例はない。
「Max。今日は早いのね。まだ仕事中なの。
1時頃なら帰ると思うけど・・・こっちから連絡する?」
「いや・・・いいよ。今日はもう寝るから。おやすみ」
「おやすみなさーい」
???
私の仕事が終わるのは、いつも日付変更線直前なのに。
そんなことMaxだって知ってるはずなのに。
嫌な予感が胸を過ぎる。気のせいならいいんだけど。
翌週、再び電話が鳴った。
「ゆりこ・・・俺、結婚するんだ」
「・・・え???」
混乱した。いったい誰と?
っていうか、いきなり結婚?
「だから、別れてほしい」
「誰と?」
「会社の・・・」
ああ。Janet、か。
ふぅ、とため息が漏れた。
彼女の噂は聞いていた。Maxの友人達から。
Maxの条件目当てで、本性を隠して狙ってるって。
あからさまで見苦しいって。
周りにも彼の条件だけが魅力だと言っていると聞いてるわ。
「本気なの?」
「子どもができたんだ。だから・・・」
電話の向こうの声は涙で震えている。
そうか。仕込まれちゃったか。
「Max、あまりいい噂を聞かないわ、彼女のこと。
でも本気なのね?私と別れるのね?」
「ごめん」
ああ。
持ち直せなかったのね、私達の関係は。
Max、あなたは知ってたのに、
どうしてもっと早く教えてくれなかったの?
こんな風に腐りきってしまうまでに。
「わかった。おしあわせにね」
さようなら。
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