- 名前
- ゆりこ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 46歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- ときどき犬型、ときどき猫型。 たぶん、淋しがり屋。
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Alexからのお誘い・・・(05)
2006年07月01日 12:55
それからも時々Kevinは私に電話してきた。
と、言っても全部仕事がらみ。
だからほんとに少しずつ、Kevinのことを知った。
彼の出身。彼の好きなこと。彼のバックグラウンド。
彼の交友関係。
それから、ほんの少しのAlexの話題。
Kevinを好ましく思っていた私にはKevinを知ることが嬉しかった。
(Alexのことはどうでもよかったけど)
とはいえ、恋愛対象としてKevinを見ていたわけではない。
絵画のように鑑賞の対象だったのだ。
まさに目の保養ってやつ。
彼は美しい外見とは裏腹にダークな一面を持っていた。
そんなギャップも好ましく思えた。
けれど寝てみたい、と思う男なら別にいた。
同じ開発部のAndrew。
彼はすごくナイスバディで、
横から見るウエストからヒップのラインが完璧。
後ろから見る背筋から腰のラインも完璧。
思わずむしゃぶりつきたくなるほど、美しい体をしていた。
これを楽しめたら、どんなに素敵だろう、と
Andrewを見るたび、私の視線は彼を追っていった。
でもそれが叶わないことは知っていた。
Andrewは軽率で軽薄な男だったから。
私は彼を自分のものにしたいとは思えなかったし、
自分の男としてでなく彼を楽しむのは私のポリシーに反する。
それに、必ず望まない噂がたつことは予想がついた。口も軽いから。
特に後者が理由で断念していた。
そんなある日、Alexからメールが届いた。
12月のことだった。
「ゆりこさん。Kevinからゆりこさんと私は同郷と聞きました。
私は車で帰省する予定です。よかったら同乗しませんか?」
「Alex。お気遣いありがとう。
今年は予定があるので、帰省しません。
長いドライブとなるのでしょうね。お気をつけて」
「ゆりこさん。ご一緒できなくて残念です。
今度帰省するときには是非声をかけてくださいね。
どこまででも、お迎えにあがります」
ふう、と私はため息をついた。
どうしてAlexは私に連絡してきたのだろうか。
婚約者がいるのだから、彼女を乗せればいいのに。
Alexの車に乗る気にはなれない。Alexを好ましいと思えないからだ。
借りを作りたくもなければ、彼に私の個人情報を教えるつもりもない。
それに、予定があるというのは本当なのだ。
Maxの実家で正月を過ごすことになっていた。
4ヶ月ぶりにMaxに会える。
電話で愛をささやく日々は私の支えとなっていたけれど、
私は知っていた。
既に長らく私の友人でもある、彼の友人らから
彼が浮気していることを聞いていた。
「落とすのが楽しーんだよ。落としたらもういらない」
そう言って彼はゲームを楽しんでいるらしい。
浮気、なら許せる。
帰ってくるところが私なのなら。
でも本気だったら?
いつか本気になってしまったら?
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