- 名前
- ゆりこ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 46歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- ときどき犬型、ときどき猫型。 たぶん、淋しがり屋。
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愛の誓い・・・(09)
2006年07月07日 19:12
まあ、いずれにしてもMaxと私は破滅に向かっていた。
けれど、私はMaxを失うことなんてできなかったし、
Maxも私を手放すことができなかった。
私たちは腐っていきながら、それでも繋がっていた。
1999年12月末。
仕事納めをなんとか終えた私は、
最終新幹線で着いたとある駅のホームにいた。
Maxの実家で年末年始を過ごすため。
Maxの父は起業していたから、
年末年始は両親ともに忙しく、
私とMaxはほとんど2人で過ごした。
おうちでビデオを見ながら雑談したり、
ちょっとしたことで手をつないだり、
肩を寄せたり、
遠距離の私にはどれも嬉しいことだった。
Maxと家族の一員として食事するのは実に10ヶ月ぶりのことだった。
ああ。離れなければよかった。
側にいることがこんなにしあわせなら。
でも離れなければ、私たちはお互いを壊しあっていたろう。
離れてよかったのだ。きっと。
ある日、2人で外食した。
彼が最近気に入っているレストランだという、Ma Maison。
「あっ、Maxさま。ありがとうございました~」
店主らしき人の応対で頻繁に通っているのがわかる。
「デートで来てるんでしょ」
「あっ、バレてた?」
「もーほんとに、仕方ないんだから。浮気者」
「ちがうよ、ゆりこと来たいなーと思っててさ、女友達と予行演習しただけ」
「はいはい」
車に乗り込むとぎゅっと抱きしめられた。
「ゆりこ、俺さ、ほんとにゆりこだけだから」
「はいはい」
「そうじゃなくって、俺。ほんとにゆりこだけだから。
こんなに、愛しいと思えるの、ゆりこだけだから。・・・愛してる」
真剣な声の調子と、抱きしめてくれる腕の力。
この確かなぬくもりは信じられると思えた。
「うん。私も。Maxを愛してる」
「ゆりこ」
彼を失いたくない。
やっぱり、距離を置いて正解だったのだ。
遠回りに思えても。
腐った日々を、やっと払拭することができる。
いつか、笑い話にできるよね?
ね、Max。
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