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「パリ、テキサス」という映画を久々にみた。/おじさ

2006年06月06日 04:51

ヴィムヴェンダース監督のその映画を、たまたま点けたTVでやっていたので随分久しぶりに見たのだけど、やーーー、面白かった。
初めて見たのは二十歳くらいの時だったか?その時もまあ面白いなとは思ったのだけど、今見たら(途中からだけど)、凄く良い映画でした。
ある破綻して別れた夫婦が、十年後くらいに、お互いの心の傷や想いを語り合い、もう一度きちんと決着をつけるという(物凄い乱暴な略ですが)内容で、会話の中で二人の間に起こった修羅場を愛の姿を語る、その気持ちがすごーーーく良く伝わるのです。
僕が二十歳の頃にはわからなかったこと、愛し合っているからこそ憎みあったり、諍いを繰り返してしまうこと、それを十年後に語り合う事の意味。そういうのが素晴らしかったです。

前にも書いたのですが、ものの見方は歳とともに変わっていくのでしょうが 、僕にもこういうのが分かるようになったのがとても嬉しい。
僕は今の暮らしになる前に、映画を捨てたし、死ぬことも覚悟していました。死んだような暮らしでしたが、その結果こうして人の気持ちに共感できるようになったなら、その暮らしは必ずしも間違いではなかったのではないか、そう思えて嬉しいのです。

もちろん他の方なら二十歳でも、よく理解できるのかもしれません。僕にはこれだけの、おじさんになってしまうだけの時間がかかったということです。きっと今まで見たり聞いたりしてきた映画や、小説舞台、音楽を全部見直してみたらまったく違う見え方をするのでしょう。


ついでに書くと「となりのトトロ」も全然見方の変わった映画です。昔見たときはサツキやメイに近い目線で見ていたと思います。
が、今はチビ達を預かったりするせいですが、おとうさんの目線でしか見れません。仕事に追われつつ、病気の奥さんを守りながら、寂しがる子供達を励ましたり、逆に元気をもらったり、必死こいてるお父さんの話にしか見えなくて(笑)

だから、おとうさんにはトトロが見えないのは当然で、家族や自分のことを必死になってたら、そんなもん見てる暇ないですもんね。
逆に、大トトロってお父さんの子供を守りたいって気持ちが、想いが、怪物に姿を変えたものに見えてきます。ちゃんとバスに乗ってくるし、チビも二人いるし。
子供達も目に見えないお父さんの愛情を感じているのかも知れません。

ああー、こんな映画だったのか!って感じです。僕はおじさんになってから、いろんなことをやっとわかるようになってきたのです。遅いよ。

愚痴っぽくなりましたが、十年後、二十年後、また違った感じかたをすると思います。その度ににどこかで「ああーー!こんな発見を!!!」とか書いてたら笑ってください(笑)

このデジログへのコメント

  • Lina 2006年06月09日 22:07

    わかります!同じ作品でも見る時期によって感じ方がかわりますよね~

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