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The Limits of Control

2009年10月12日 19:16

The Limits of Control

日曜日の午後9時から池袋シネ・リーブルで見てきました。連休中日の日曜日の夜です。みなさん、もう少し単純な映画を見たいのでしょうね。10人くらいの観客でした。
 ジムジャームッシュブロークン・フラワーズ以来ですね。あの時の主役ビル・マーレイも本作で重要な役で出演しています(でも、あれだけっていうのはもったいないですね)。
 主役はイザック・ド・バンコレです。ナイト・オン・ザ・プラネットコーヒー&シガレッツにも出てますが、ペドロ・コスタ監督の映画にも出ています。顔のアップだけですごい存在感です。ガニ股で歩く姿でさえ、なにか凄味があります。
 彼が空港トイレ太極拳をしているシーンから映画は始まります。彼は空港ロビーフランス語を話す男とその通訳と会うのですが、「スペイン語はわからないのか?」というこのフランス語黒人男の言葉で会話は始ります。「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」「その時、彼は思い知るだろう。命とは一握りの砂にすぎないことを」。ついでに通訳の男は、そばの女性を横目で見ながら「ダイアモンドは女の云々」なんてたわごともいうのですが、これがびっくり、あとでその言葉が生きてきます。
 男(イザック・ド・バンコレ)はスペイン飛行機で移動し、タワー(という名のマンション?なのかな)という建物の一室で、パリでの男の指令通り、カフェでヴァイオリンという次の関係者(仲間)の連絡を待ちます。符丁はマッチ箱だけです。
 彼は、日中はカフェで2つのカップにエスプレッソを注文し、仲間を待ちます。その後は美術館に行き、現代美術を眺めます。
 移動・寝床での仰向けの睡眠、カフェでの2つのエスプレッソ、絵。これが以降、この映画で繰り返されます。
 いよいよヴァイオリンをかかえたヴァイオリンという男が現れ、「スペイン語は・・・」と話しかけ、マッチ箱を示し、交換します。そして、次の指示を出し消えていきます。
 以降はこの仲間が出てきて、移動して、指示を受けての繰り返しです。
 この連絡員が、裸で男に添い寝する若い女性やら、ビニール傘を持ったプラチナブロンド女性だったり、電車の中でコンタクトをとった東洋人の女性工藤夕貴)だったり、ギターを持った男性だったり、メキシコ人男性とその運転手だったりです。
 繰り返しがずっと続きながらも、男はいつのまにか目標の人物(これがビル・マーレイ)に近づくのですが、繰り返しが重要なので、最後の接近方法は・・・?
 とにかく、気持ちいい映画です。
 音楽と、絵画と、繰り返しの会話・シチュエーション、すべてが映画でなくては出来ない限界をしましています。
 Creditの最後に
No Limit No Controlとありましたが、限界とは想像力の限界でしょうか、映画という芸術の限界なのでしょうか?

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