すべての原因は…

晴れると、非常に暑い。
太陽の陽射しが、部屋の中に入ってくると、部屋の温度がどんどん上がってくる。

でも、8月も終盤になる。
あと少しで9月。いつのまにか、秋になっていくのだと思う。


本人は、悪気はないのだが、相手は、「…」となっしまうことがある。

空気を読め、と言うべきか、
常識だ、と言うべきか、
価値観の違い、と言うべきか。

なかなか難しい。


「いやさあ、別にいいんだよ。昼休みに何しても。でもさあ…」
ドトール・コーヒーの店長が言っていた。
駅前のドトール・コーヒー。
店長は、週7日出勤しているので、だいたい、いる。

店長は、気さくで、お客さんとも、よく話す。
俺も、店がすいている時は、話す。

アルバイトで雇った、21歳の男が、昼休みに、
ドトール・コーヒーの制服を着て、近くのモスバーガーに行き、ハンバーガーとコーヒーを買ってくる。
ドトールコーヒーのスタッフルームで、モスのハンバーガーを食べ、モスのコーヒーを飲む。

そして、店長に言うらしい。
「モスのハンバーガーは、おいしいんですよ。コーヒーも美味しいです。店長も飲みますか？」

店長は、「…」となるらしい。

このアルバイトは、悪気はない。
でも、コーヒー専門店のドトールの店長としては、モスから買ってきたコーヒーを薦められたくない…。

店長は、言っていた。
「若い人との、価値観の違いかなあ…」




「お久しぶりです」
駅で、突然、言われた。

振り向くと、色が白く少しメタボの、金髪で髪を伸ばした男が立っていた。

隣のアパートに住んでいる人で、ゴミを出しに行った時に会ったり、コンビニで会ったりして、話すようになった。

最近、会っていなかった。


この人は、いつも、
「俺は、クリエイターだ」
「普通の人とは、価値観が違う。」
と言っている。

さらに、
「日本人はさあ、差別するんだよね。独創的な人を排除するんだよ」
「金髪でロン毛、それだけで、信用されないの。」
「警察にだって、職務質問をよくされるんだぜ。ほっとけ、て言うの」
と言う。

よく聞く話だ。
売れないバンドの人間が、よく言う。

俺が売れないのは、時代を先取りしているから。
俺が売れないのは、独創的すぎるから。

でも、売れなければ、意味がない。


しかし、彼は、ミュージシャンだが、売れないバンドのミュージシャンではない。
主に、ゲーム音楽を作曲・制作している、ミュージシャン。
ちゃんと仕事もある。
作曲の仕事が入ってくるというのは、実力のある証拠だ。

今、25歳で国立大学の法学部を出ている。
頭もいい。

弁護士になるか、音楽をするかを考え、音楽で食べていくことに決めた。


この人は、彼女と同棲をしている。別れるようなことを、前に会った時に言っていた。

俺は、訊いた。
「彼女とは、まだ、一緒にいるんですか？」
そういえば、彼女の顔もほとんど見ていない。


「俺、もう彼女と別れようと思ってるんだけど、なかなか、別れられなくてね。」
と答えた。

なかなか、別れを切り出すのは、難しい。
浮気とか、何か、きっかけがあると別れやすいが、何もないと、難しいかもしれない。

2年間も同棲しているのに、エッチは、2年間で10回もない、と言っていた。

別れた方が、お互いのために、良いと思うが…。


「一緒に住んでるけど、彼女ではないかなあ。ほとんど会話もないし。顔も合わせることは、ほとんどないから。ほとんど、ルームメートみたいな感じかな」


ますます、別れた方がいいような気が…。
それよりも、すでに、別れているようなものか？


そして、
「価値観の違いなんだよね。
俺はさあ、ミュージシャンで独創的でユニークだけど、彼女は公務員でさ。
俺は夜型だけど、彼女は朝方。
しかも、彼女は潔癖症なんだよね。」

確かに、違いすぎる。。。

俺は、単刀直入に言った。
「別れればいいんじゃないですか？」

その人は、言った。
「別れる気なんだけど、最近、彼女が優しくなってさあ…。」


恋愛の話なんてのは、こんなものだ。
自分が良いように、編集してしまう。

実際は、全然違う。


警察に職務質問をされる？当たり前だ。
彼女が公務員で、型にはまった人間？　全然違う。
彼女が潔癖症？別に、普通だ。

はっきり言おう。
すべての原因は、君にある。。。


(長くなるので、続きは次回書きます)