- 名前
- ヤヨイ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- 主にログ交流を愉しんでます♪ 読むのも書くのも大好きなので 気になったログには フレ...
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時のないホテル(下)...了
2009年07月18日 10:21
ピロピロピロラリラ♪♪ (「エリーゼのために」を連想してください)
嗚呼
また響くナースコール
私のベッドが一番の端らしく(ナースセンター寄り)
看護師さんたちの含み笑い そして小声の囁きを感じる
「ちょっとぉ 聞こえへんの?いつまで ほかしておくの!」
田中さんの苛立ついたどなり声
ここで はじめて
「は~い」という 重そうな返事の後 さらに時間を経て
HCUに足音が聞こえてくる
「何?今度はど~したの?少し我慢して眠ってみよっか?」
『は?何回呼ばせるの?イライラして 痛くて 寝れる訳ないやん!
早く 首起こして 手 引っ張って!』
「田中さ~ん、、、駄目ですよ~。何度も言ってるでしょ?
固定してる意味 わかるでしょ?ひっぱったら またやり直しですよ。」
『ごちゃごちゃ言わないで!
痛くて辛いんは私!私がやれって言ってるんやから いいの!
早く起こしてちょうだい!』
「だ~か~ら~ 駄目だって。昨日もそうやって騒いだから
ずっとここに居なきゃいけないんだよ!
あのね ここは治療するところなの。皆 我慢してるんだから。
ね 頑張ろ?足さすってあげるから」
『もういい!もう嫌だ。あんたら 何も聞いてくれないし
はっきり言ってへたくそやね。
もういい。家に帰るから お父さん呼んで!』
「無理だって~。あのね。。。」
『もういいってば!何もアンタには言わない。
S先生呼んで!早く ノロマ!』
上の会話は 面倒なので 何回ものナースコールを合作・圧縮した状態
こんな感じの やり取りが何度となく有った
彼女。。
田中さんは 終始 ナースコールばかりしていた
もう何度めかには 既述の通り 聞こえないフリ?
をされているらしい気配がしたがそれも仕方ない。。
と 思われる程 田中さんは傍若無人だった
何度もの押し問答で 整形の術後だとわかったので
単純に考えるとヘルニアだろうか?
(うちの旦那も 数年前 頚椎ヘルニアの手術をした際
首と腰を固定で三日間 寝返りもうてず 体位を変えるに
動かせない箇所を人間が押さえる行為は 大変だった)
私の(まだ麻酔が効いているのか)思いの他 我慢できる痛みとは
段違いに苦しいのだろうが あまりに我侭だった。。。
『ちょっと!もう 聞こえないん?苦しでるんだから!訴えてやるよ!』
また がなり声が拡がる
と そのとき 音もかすかに カーテンが揺れて 看護師さんが入ってきた
「あ 起きてます?痛み どうですか?」
囁くような声で寄ってきてくれる人
なんだか 人恋しかったので 嬉しい・・・
鼻からの管が ただでも挿管で傷ついた喉にあたって苦しい
思うように声が出せず 私は うなづき 大丈夫だと伝える
やっとの思いで 絞った声で尋ねる
「いま。。。 何時ですか?」
『んん~?三時半』
。。。。嘘やろ
さっきの熱と脈を計りにきてくれた看護師さんに聞いたとき二時だと
あれから 相当の時間を費やしたつもりなのに。。。
因みに 午後の方の三時半 深夜ではない お八つ時
ベッドと点滴用のポール 手首にまき付けられたナースコールボタン それがカーテンで仕切られただけの空間
気を紛らわすものも 時計の針さえも そこにはなかった
「あの。。。管が痛くて。。。外せないですか?」
『あ~ ○○さんはとっくに麻酔から醒めているから ど~だろ?
先生に聞いてみますね。やっぱ 違和感ある?』
ここぞとばかりに コクコクと 首を動かす
その都度 喉が痛む・・・
カーテンが閉められ 隣に移った その看護師さんの小さな怒り声
「Oさん また~ 酸素マスク 取れば駄目だって!」
隣は 高齢の男性のようで 何度も 同じ行為をしているので
定期的に見張られているようだ
それでなくても ここは 熱・術後の傷チェック・脈拍・容態を
念密に見る場
傷と喉の痛み 多少の熱のためか 全くもって 眠れない
その上 隣はおイタをして 何かを外して怒られまくり
田中さんは 小刻みに文句をいい 騒ぎ立てるし
どこかからは ドリフのコントのように大袈裟に響く 鼾
眠るどころか 心身ともに休まらない
カーテンを揺らしながら 先ほどのナースさんが戻ってきてくれた
「あのね M先生に連絡とったら 先生が夕方 外しにきてくれるって。
もう少し待ってね」
は~ 夕方って。。。
さっき三時半だと言ったから 本当にもう少しなんだよね・・・
また歯切れの悪い時間と 喧騒に堪えながら
私は 色々 頭で唱える
妄想は得意な筈が 実は ここで気づいてしまった
ヒマというか こういう不毛な中では 考える・空想する力さえ消滅している
つまり なす術なし
妄想は 元気で暇なときでこそ(笑)
眠れない夜にイラだった あの秒針の音が聞きたい
ここにも平等に ときは流れている証が欲しかった
少し ウトウトした矢先 またナースコールが聞こえる
多分 きっと また田中さん。。。
もう少し 辛抱できないのだろうか
「ちょっと!ちょっと~~~!
何してるん! 早く来て! 誰か~!!!」
嫌な気分が充満する
ため息と 密かな笑い声と 足音が聞こえてくる
腰がだるくなってきたので 両手をベッドの縁にかけ
おそるおそる体重を少しだけ乗せてみる
右へ ちょっとだけ 腰を浮かせて 寄ってみた
お~!やれば出来る子やんか~ (*^^)v
とたんに けだるさが少しだけ解消
そして 自分ができる運動と 暇つぶし(?)の仕方を覚えた
欲を言えば けたたましいコール音と 問答が聞こえないように
何か音楽が聞きたいな
何より 喉の管を抜いて欲しい
ときのない空間
凄い孤立と 砂を噛む様な 不思議な感覚
私だけ 異次元にいるのではないだろうか
などと 通常とはレベルが違う
妄想やパラノイアが襲ってくる
数字もかぞえた
一人しりとりも つっかからず続けた
いま 何時だろう
まだ五時よ。。とか言われたら 今度こそ 心が折れそうな悲しい予感
待ち人。。ではなく 先ほどのナースさんが 定期便でやってきた
点滴の調整をし 体温計を脇からはずしてすぐ 無言で出てゆき
すぐに戻って 氷枕を私にあてる
微熱は感じていた。。。
「あの。。。。M先生。。。」
喉が痛くて 声がでない
『あ!そうだよね。先生が来る約束やった。ちょっと連絡取ってくるから
待っていて?』
頭が冷えすぎて 痛いよ~
もう 私も田中さんを見習って いちゃもんつけたろか!
とか 小心者なりに考えていたところ 看護師さんが戻ってきてくれた
『ごめんね~ 先生来れないって』
がび~ん (>_<)
ここまで待たせて どういう事ですか。。。
いい年して 泣きたくなってきていた
『ね~ 最初っから指示だしてくれたら もっと早く外せたのに。。
ごめんね
少し痛むよ?』
そういうと 彼女は酸素マスクをはずしてくれ
管を慎重かつ機敏に ジュっと
抜き取ってくれた
引っ張られて 初めて知ったけれど かなりの長さがあったのね・・・
鼻の奥がジ~ンとはしたものの スッキリ(^^)v
やっと 一心地
『じゃ 何かあったら コールしてね』
酸素マスクもなくなり 鼻へあてる酸素だけと変る
あ~ これで 眠れるのでしょうか
喉の違和感と 鼻腔の痛みがないだけで 幸せにと変った
帰りがけに 聞いた時間にも満足
夜の22時だって! 夜明けは近い~♪ ???
管の辛さから脱した私は もうあまり 遅々とした時間を気にせず
時折 身体を慎重に浮かせる“運動”を愉しみにもした
少しだけ 楽になった状態だから 少しだけ発展した考えも進む
心配した程の痛みは 今のところ無いのだけれど
これから 急に痛み止め麻酔が切れて
「我慢ならない!」と 私も田中さんになるのだろうか。。
さっきのナースさんに 本当は伝えたいことがあった
でも 声が上手く発せられないという状況と
本心からの言葉なのだが 口にすれば まるで聖人ぶっているような
嫌らしい響きになるのではないか。。。と 結局は言えなかった
気になったのは 田中さんの「訴えてやる」という何度も聞こえる言葉
一昼夜 どれほど彼女の呼びつけに ナースさんたちが ときには諭し
更には 言われるままに足や首をさすってあげ いかに尽くしていたのかを
上に文句を言われた場合 及ばずながらも
私が検証してあげたかった
だから
「もし 田中さんがいちゃもんつけたら
私が彼女の方が我侭だって立証しますよ!」という科白を。。
ログは長くても 実生活では口下手な私ゆえ 何度も反芻して用意したのに
結局は 偽善者ぽくて 言えなかった
そして 分厚いカーテン越しにも 夜明けがわかる頃
刻も外の光りも遮断していた病棟に アナウンスがはいる
「おはようございます 午前6時 検温の時間です」
明けない夜はない
ただ すんごく長かった
そして 辛かった
痛みは 意外なくらいなかった分 私も我侭だったのだが
この堪えがたきを堪え 忍びがたきを忍んだ
ときのなかったホテル
一生 忘れない
そうして 一番の落ちは。。。
そういえば 明け方にウトウトできた頃には 静かだったこの部屋
慌しく 夜間のナースさんと交代要員の紹介と引継ぎで
にわかに 活気のような空気がある中
クレーマーの田中女史の声がしなくなって 少し時間が経っているように
やっと気がついた
「ほら~ 起きてください~!もう皆さんの検温も終わってるんよ?
田中さん?田中さん???
先ず 目を空けて~ ベッド起こしますよ~」
パタパタ
「整形さんからお迎え来るって?
え?田中さんは まだ寝てるん?起きてくれないと駄目やんか~
田中さん?あれ?起きて~!!
もう ずっと騒いでおいて 朝には 寝てるの?
先ず 起きて。田中さん?た・な・かさ~ん!!!」
パシパシと どこか(足でしょうね)を軽く叩いてる音がする
ずっと人を呼びつけて やりたい放題した結果が
朝には ネムリ猫になっているようだ
看護師さんのクスクス笑い ここぞといわんばかりに
彼女の名前を連呼し 起きない状態を
意地悪にみれば小馬鹿にしているような やり取り
その上 落ち着いて ナースさんらの言葉を聞いていたら
田中さん、、と私には聞こえていたお名前は
どうやら「ながたさん」だったようだ
長い悶々を経て 私は消化器外科のナースさんのお迎えに
感激しつつ あの部屋を後にした
ちょっと。。。。
ちょっとだけ 病棟へ戻り 一息ついてから 恐ろしい想像をしていた
あれだけ 騒いで疲れた。。。とも思えたが
夜中の暴れように
点滴に 薬を混ぜることは ナースの権限でも可能だな。。とか
んだから 虎が猫になったのを 皆でクスクス笑っていたような。。。
人間が あんなに叩かれても 起きないなんて 自然では考えにくい。。
でも それも合法かな?と
あの夜のやり取りにおいては 思えたものだ
一度もナースコールを押さなかった
「時のないホテル」での私
私の人生において
動きのない主役を張っていたのは自分だと思っていたのだが
あの部屋の 真の住人は
田中あらため「ながたさん」だった・・・・・のかな?
もう あれから二ヶ月も経ってしまった
傷跡は化膿もせず
ただ雨の日には 少しだけ疼くだけで 加療は全くしていない
いま 少し元気のない私は 自己訓練中
あの「ながたさん」の神経を 見習うため?だったりして~
何処ででも 誰にでも揺るがない精神を
誰か ください~(笑)
なんがい病院ネタでしたが
一応完結せんと 気持ち悪くて(爆)
お付き合いくださり 陳謝です<(_ _)>
このデジログへのコメント
意識のある人間の病院生活って辛いものだと思います。
ながたさんも寂しくて騒いでいたのでは?
お気持ちお察しします
私も1年経ってもリハビリ中^-^;
焦らず無理せず頑張りすぎずに。
> nekoyanさん
先輩この間は不躾にごめん♪
う~ん、まだその日その日で色々ですので 焦らず。。
甘えん坊って可愛い表現。。してみてぇ~(笑)
非日常、まさに!この世でない様な処や!
> ミっキーさん
ながたさん(長田さんって書く?)はだるいやら痛いやら
相当 騒いでました~。淋しかったのも大きいでしょうね
私のように居様に麻酔が早く醒めたのは逆に駄目でした(>_<)
> noaさん
やっぱり雨の日やその前日って傷が疼きます?
気をつけないと 駄目ですよね。
noaさんのリハビリは どんな様子?
骨折もくせになりやすいとか。。ご留意ください<(_ _)>
> 幟 梨緒さん
うん、、逞しい人は生き延びる^^; 私のように過ぎてからとか 考え過ぎて 後々で悶々とする奴が いっちゃん嫌らしいわ~(笑)
普段 意識しない秒針って 実は 命のリズム♪
> ピロすけさん
クレーマーって凄く自分に自信もあれば 揺るがない信念(笑)の
持ち主だから 理不尽に気がつかない分 幸せな人ですよね。
ピロさんも優しいから 文句言う人種は奇異でしょ?
> さきこさん
どもども=^_^= 暑かったり 土砂降りだったり 夏の過ごし方に
まだまだ修行の足りない私です
さきこさんが「4日以上」になっているので心配でしたよ~
復帰 万歳^^;
もう 病院ネタも最終回かぁ(^^)
全快なんやね~
後は 梅雨明けを待つのみ (^_-)-☆
ながたさんの人生の中では、彼女もヒロインなのでしょうね(笑)
今でこそ笑える?おハナシですね。
> 赤ワインさん
毎日暑かったり大雨やったり冴えないね(-.-)
一応、外科的には確かに全快です~
そろそろ病院の過去が忘れて 元気ネタに移行したいものです♪
梅雨の後先 良いお言葉♪
> 奈津さん
うん!今でこそ笑えるけど あの一昼夜の長さと彼女への憤りは
凄かった でも人間は綺麗に忘れる能力があるから今度は
私が主役張って我侭したろう(笑)
今夜はゴーヤ食べたよ♪
>ヤヨイさん傷うずきませんよリハビリ少しずつ最近自転車往復40分体力なくなっているのでたいへんf^_^;
> noaさん
チャリ往復40分は かなりきっついです(>_<)
しかも雑踏は 神経使うでしょうに
無理せずに。。。です。
でもリハビリがてら 私もそろそろチャリ解禁しよう♪
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