食べること生きること奪うこと

わたくし　おおざっぱな割に

変な所で細かい女でございます

例えば　そう

お茶碗に米粒をびっしりつけて　食事を終えるという行為に

どうにも　嫌悪を覚えるのです

結婚条件に付け加えたいくらい　というのは過言ですが　



お米の中には　７人の神様がいると言われて　育ってきた

本当にいるかいないかは　問題じゃないの

アンチ米粒残しに　拍車がかかりそうな事が　本日ありました



さて　小心者さんは　今日はここまで

心臓弱い子は　最後に飛ぶか　退散してね



私が働いているのは　一杯飯屋のような所

お寿司と　焼き鳥を主に出している

今日出勤すると　羽をむしられた食肉用鶏が　届けられていた

何羽も　何羽も　

とさかも　くちばしも　足も　残り毛も　ついていて

一目見れば　それとわかる状態で　まな板に乗せられていた

もくもくと　さばいていく　焼き台の彼

頭を落とし　皮をはぎ　肉をそぎ　内臓を切りだし　

小さくなっていく鶏　どんどん　肋骨があらわになっていく

そして見慣れた焼き鳥の姿へ

ここまでくると「おいしそう」　勝手な椿さん

お魚以外のものがそうやってさばかれ　

順を追って原形がわからなくなっていく光景を　

今日　恥ずかしながら人生で初めて見ました



その光景を見て　気持ち悪い　怖い　と　思った次の瞬間に

自分が恥ずかしくなった

体の中に納まっているべきものが

露出してしまうのが　とても気持ち悪いと思うのは

ごく自然な反応であるとは思うんだけど

なんか　そうじゃなくてさ　

もっと奥に隠れた　心の問題に気付いてしまったわけです

魚をさばいている所を見るのが平気なのは

きっと自分と魚では見た目やつくりが似ていないからだと思うけど



食べる　という行為が　他のものの命を頂いている行為だと

忘れているわけじゃ　ないつもりだった

食べる　という生きるための行為が

他のものの命がなくなる　という行為と直結している事

こんなにも身近に感じる事は　一度もなかったと思う



毎日手を合わせていう「いただきます！」

どれだけ空っぽな言葉だったんだろう



スーパーにいけば　既に誰かによって

命を絶たれたものが　ずらりと並んでいる

自分で手を下さなくても　

奪われた命を簡単に口にする事が出来る時代

大量に生産され　大量に消費され　大量に廃棄される世の中

人間が食べていくために　作った命なんだから

殺さなければ　自然界のサイクルが　どうとか　こうとか

まぁそりゃ　そうかもしれないけど

例え　人が故意に増やしたとしても

それが命である事は　変わらないわけであって

その命を頂く事が　ありがたい事ではないのかと言ったら

それはやっぱり　間違ってはいないのかしら

そうねぇじゃぁ　野菜だけ食べましょうって　

そういう話でもなくて



神様気取りの人間？

神様が人間を自分とそっくりに作ったのか

人間が自分とそっくりに神様を作ったのか（よーじろうくん

玉子が先か？鶏が先か？

人間が先か？神が先か？



話　遠方へすっとんだけど

食べるという行為は　神聖な行為であったはず

食べ物を捨てるという事は　

命を捨てるという事であるはず

今自分が捨てた食べ物を口にする事ができずに

命を落とした誰かが　世界の裏側にはいる

その話は今日は置いておくとして



人ごみが今んとこ嫌なので　市場に未だに行ってないのだけど

市場に行けば　殺したてのうさぎが

軒先にぶらさげられているそうで

料理人の友人は

うさぎや鳩の　毛をむしる所から　料理を始めるそうで

そう　誰かが　私の代わりに　そういう部分をやってくれている

だからといって　忘れていいわけではないのに

どうにも　意識の薄いというか　低いというか

そんな自分が　恥ずかしくなっちゃったんです

今日　テーブルの上には　一体いくつの命が並べられた？

一人暮らしで程度がわからず　買い過ぎてダメにした野菜の数々

結局ダメになるので　買わなくなったけど

ごめんなさいの気持ちが　前より深い



だってあたしは

「どうぞ　私を食べてください」

「どうぞ　私を解剖の実験に役立ててください」

と　命を差し出せないよ

鶏と人間　同じにするなよって　思うかもしれないけれど

一寸の虫にも五分の魂があり

生きとし生けるもの全てが

尊い命を　等しく与えられている

それぞれが　まっとうすべき役割を　与えられている

と　私は思っているわけです



今日の事は　示されるべくして示されたと思う

今思えば以前にも　似たような気づきの機会があったけど

（冷凍庫内の　落とされた牛の頭と　目が合うという機会ね）

気づけなかったから　前より強烈な機会を頂いてしまった

毎日　人から見たら　些細で　くだらなくて　

当たり前かもしれない事を　ここへ来て　学ばせてもらっています

そして　そんな小さな事に気付けている毎日が

自分にとって大切だったり　嬉しかったりするのです



これからはちゃんと　心をこめて

全ての命に感謝して　

「いただきます」

忘れずに

「ごちそうさまでした」