独りよがり

９歳年下の男性から誘われて、飲みに行った事がある。
身長は高いし、無駄な肉は付いてないし、顔もまぁまぁだし、
きっと彼なりに自信があったのだろう。
２軒目のお店で、酔いは出来上がり、なんだかんだと言い出す。
（男）「だから、プーにだって悩みとかあるだろうが、言って欲しい訳よ。」
（プ）「.......」
（男）「心の中を打ち明けて欲しいなぁー。独りで頑張らないで、飛び込んで来いよ。壁があれば乗り越えて来いよ。」
（プ）「.........]
（男）「年が違いすぎるとか、考えるな。気にするなよ。俺に言ってくれ。」
（プ）「..........]
（男）「泣きたいときは俺の前で泣けよ。」
（プ）「あのね、言いたい人に言うから。心の中は、私が言いたい人に言わせてもらう。壁があろうとなかろうと、乗り越えて行きたい時は行くし、心配して貰わなくても大丈夫。まして、年がどうのこうのじゃなく相談したい人に相談するって事。泣きたい時はその人の前で泣くわよ。貴方の前では、泣く事ないと思うから。心配しないで。」


時々私は思う。何故こんなふうに独りよがりな事を、言えるのだろうかと。
それこそ、５０に近い女は、簡単に落とせるとでも考えているのだろうかと。
隙は見せていないつもりでも、隙があったのだろうかと。
こんな、場面に出会う度、私は考える。
お手軽な恋愛は、恋愛とは呼べるはずもなく、心の繋がりも持たず、
飛び込めだの乗り越えろだの、安易過ぎる。
それに、女性は（私は）好きな人の前ではただの弱虫になるのだから、
泣くなと言われても泣いちゃうさ。