- 名前
- 埋葬虫
- 性別
- ♂
- 年齢
- 54歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- ひさしぶりに書き直してみたぞ。うっひゃっひゃ
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時間と処刑
2007年11月09日 10:22
(実験)
...まてよ、しかし、なんでこんなタイミングで。
妄想の中の俺の血をひくものが、わんさか。
さて:俺には脳の中に息子が一人いた。そいつは巨大な目で俺を見つめていた。
なぜか。なにしろ、俺の息子はまだ5歳。まったき無垢の、すきとおる瞳。俺を恐れているようでもあり、また俺の「虞れ」を見ぬいているようでもある。
俺は、白シャツに大袈裟なほど血がべっとり。肩の附近を暴漢かなにかに痛めつけられていて、というよりは、もう切断されかけた感じ。右手が腱も神経も損傷し、ぶらぶら。
「かた、どうしたの、おとうさん」
「なんでもない 気にするな」
「血がすごいよ」
「うん。さわって見な」
「うん」
上半身をかたむけた瞬間、まやみにでんぐりかえるような不快な眩惑で、自由のきかぬ上半身からくずおれる。妙におちついた足取りで、彼は俺の上半身の方へ接近してくる。そうして、俯せであえぐ俺の肩からふき出す鮮血に、頬を、つけるのだ。
「あったかい」
「ここを、はなれろ。●○。いけ」
「どこにいけばいいの」
「どこか、俺が完全に視界から消えるトコロだ」
「おかあさんは、どこなんだろ」
「母は、いない。おまえに母は、いないんだ」
「死んだのかな、おかあさん」
「ああ、死んだ。わすれろ」
「ぼくも死んだほうがいいのかも」
「おまえは、死ねねえ。死ねねえんだ。....」
黒い棘だらけの翼を、ゆっくり開く、金属製の頭を陽炎のようにくゆらせる、黒い天使が、超低音のオルガンのように、瀕死の俺の、躯の横へ降り立つ。
彼を、俺の息子を、
かの黒い天使はゆっくりと抱擁し、
下を見る俺の息子の瞳が、
大粒のなみだをとめどなく落しはじめるのを見る俺は、
同時に、かの黒い天使の、
火炎をまとわりつかせた灼熱の剣が、
正確に俺の左目から頭蓋骨をさしつらぬくのを、
まるで他人事のように
観づる。
このデジログへのコメント
コメントありがと 妄想とその焼付け(文章化)はかなり密接す (しかし俺はガンバるんだろうか...)
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