趣味は読書、センチメンタルで少しマジメ

「ブレードランナー」(旧)という映画を、知っている人も少なくは無いだろう。
クライマックスで、ブレードランナーのデッカードとレプリカントのロイ・バッティが対決するシーンで、ロイが屋上から落ちそうになるデッカードを助けて、その後息絶える。
機械としては矛盾しているが、感情を持った機械なら、あり得るのかもしれない。
酷い病気や災害、犯罪に巻き込まれた人が、同じようなことが繰り返されないようにと、心情を語ったりする。
今、有吉佐和子のある作品を読んでいて、まだ途中なのだが、人間というものの様々な面、善悪だけでなく、嫉妬、奉仕、虚無、愛などが本当に同時に存在しているのが人間なのだと感じさせられる。
単純にひねくれた例を言えば、相思相愛で結ばれた男女は幸せだが、その陰にそのどちらかに思いを寄せ諦めた人達がいるということも事実である。
甲子園で優勝出来るのは一校しかない。
勝者の陰には必ず敗者がいるのだし、もっと卑近に言えば、混んでいる電車やバスで自分が座っていれば、座れない人が必ずいるのだ。
段々何が言いたいか分からなくなって来たが、他者の為に命を投げ出す人もいれば、他者の命を奪う人もいるということで、人はどちらにでも成り得るのである。