自慰歴＆スタイル

多分初めての自慰って幼稚園の頃。

まだ茅葺きだった家の居間でこたつに入っていたことを憶えてる。

今はクソ真面目な親父だけど、不良学生の趣がまだ残っていた親父がふざけ半分で僕にうつ伏せになって腰を振って見せたことがあった。僕がそれを真似するとあそこがムズムズしておかしな感じがする。何度もやっているうちに気持ちいいんじゃないかと思えてきて、その後少しくせになっていった様だ。

小さな頃親から言われて憶えていた男性器の呼び名は「ちょんちょん」。そしていつかその行為自体も「ちょんちょん」と呼ばれるようになっていて、時々僕がそれをしていることを見かねた親父が心を痛めたのか「ちょんちょんしたらだめ！」って怒られるようになった。

場面は変わって保育園のお昼寝の時間。ちょっとかわいい女の子が僕のとなりで横になっていた。周囲はみんな寝ていて、僕と彼女だけが起きている。何がきっかけだったのかわからないけど、僕はおもむろにうつ伏せになって、その親父から教わって癖になっていた「ちょんちょん」をやって見せて、彼女に教えてあげた。彼女はそれを見てニコニコしていたのを憶えている。

彼女とは校区が違ったので、小学校では同じ学校にはならなくて、中学校で久しぶりに会うことになった。なんだか僕は彼女のことをずっと少し気にしていたようだ。どことなくセクシーさも感じられる。けどそれは恋愛とは違って、僕の初恋は別の中学校の同級生の人が対象だった。

卒業式の日、自転車置き場に行っていよいよ帰ろうかとしたとき、その彼女がよってきた。「頼まれたので第２ボタンをください」。後にも先にも人生で唯一第２ボタンをあげた経験だ。だいぶあとになってそれは彼女自身が欲しかったんじゃないかと気がついたことがある。高校は彼女は遠くの私立高校に進学したと聞いた。僕はそのまま地元の県立高校へ進学した。

大人になって大分経ってから中学時代の同窓会が地元で開かれた。その同窓会では僕が初恋の次に好きになった人が来ていて、彼女の眼の前の席が僕の席だった。何十年も経っていて、その初恋から２番目の彼女は結婚して子供もいてドイツへの海外駐在も終えているにもかかわらず、僕もそれなりに様々な経験をしてきたにもかかわらず僕の中で中学時代の自分が蘇ってきてドギマギしっぱなしだった。きっと周囲には挙動不審に見えて気持ち悪かったんじゃないかと思う。けどこれはついでに思い出した話で本筋とはずれてるのわかってる。

２次会で幹事に連れられてスナックに行ったらそこにあの保育園時代に秘密の時間を一緒に過ごした彼女いた。ママをしていてスナックを切り盛りしていた。あまり話さなかったけれど、なんだかふわっとした空気が僕を包んでいたのを憶えている。彼女の方は全く様子はわからなかったけれど。

あれからまただいぶ時間がたった。あの通りから少し奥に入った２階に入っているスナック。今はどうなっているか近づいて見てみたことはないけれど、地元商店街はあれからも継続的に廃れていっているので、すでに廃業しているんじゃないかなって思う。

あの同窓会の時点で彼女には大人になった娘さんがいて、彼女も娘さんも若くして結婚したんだか妊娠したんだかで彼女の人生は早いんだなって思っていた。僕には未だに子どもはいないし、かつての妻は病気で亡くなる直前に僕を離別してて僕はいまだにふらふらしてるんだけど。

話は戻って「ちょんちょん」の話。当然射精前からやってて、射精できるようになったあとも、処理が面倒で射精を我慢して済ましていたことも合わせてやってた時期があった。今は我慢することはないけれど未だに僕の自慰といえば「ちょんちょん」だ。こんなこと今更親父と話すことはないだろうけど、話さなければ親父はこの親譲りの「ちょんちょん」を思い出すことはないだろう。

世の一般的な男性の自慰は座って背中を丸めて利き腕を使って前後運動するのが一般的なのかなって思ってる。TENGAなんて道具も出てきてるからいろいろ多様性はあるんだろうけどやっぱり僕のやり方は変わっている方だろうね。「床オナ」なんて言葉は後で知った。あれって主に女性の自慰の仕方の一つだよね。そりゃ男性で床オナなんて珍しいよね。

射精を我慢していた時期があるからか、腰の力でちょんちょんを押し付けるからかどうかわからないけれど、性行為では僕は結構遅漏になっている気がする。もしかしたらちょんちょんの向きが自慰と性行為では逆向きだからかもしれない。僕は全然構わないのだけど性行為のときに射精できなかったら「結構申し訳ないのかな」とか逆に「私では満足させられなかったのかしら」と心配させてしまうかもしれないからちょっとここは問題だなって思ってる。

しかしこんなこと書いたの初めてだな。興味深く読んでくれる人どのくらいいるんだろう。