趣味は読書、本当なら、天国かも

60歳になった時、もうデジカフェは卒業しようかと本気で思った。
　誰かとメールを始めても続かないし、一度も誰とも会えていないし、さすがに還暦ではどうにもなるまいと思ったのだ。
　正直、性欲も落ちていて、本当に異性の友達か話相手で良いとさえ思うのだが、それさえうまくいかない。
　常識で考えて、僕は顔写真も載せておらず、大したプロフでもないのに、若くて綺麗な女性からメールが来る。
　しかも、大抵すぐにしたいようなことを書いているが、そこで僕の警戒心が過敏に反応するのだ。
　「リアルでまるでモテないのに、ネットでモテるわけないだろう」
　しかし、僕にメールをくれる人のせめて半分が、本当に誰でも良いからエッチしたいと思っているなら、それは僕にとって天国だったのかもしれない。　
　僕は毎日、目の前に転がっていたチャンスを自ら放棄していたのかもしれない。
　しかし、再度繰り返すけれど、60歳の見ず知らずの初老の男に興味を示す人は、希少だと思っている。
　あまりに綺麗な人が、出会いが無いなどと言っているのは、どうにも信じ難い。　

　長年大したことないログを、たくさん書いてしまったがそんなログでも、自分の小さな歴史なので、失われるのがもったいなくて、やめられないのだ。
　こんなに長く、多くの文章を書くなら、他のアメ︎ロとかにすれば良かった。
　エッチしなくて良いから、本当に時々デートだけしてくれる奇特な人は、存在しないのだろうか。