指

同じ指なのに、どうしてこうも違うのか…


仰向けに寝転ぶ彼に覆い被さるように抱きついた。
彼はうつらうつらと寝ている。

首元にキスをすると
ほんの少し甘い吐息が漏れた。
乾いたキスから湿り気を帯びたキスへと進め、
そして耳の後ろを舐めた。
耳たぶを優しく噛み、
舌先を尖らせて舐めた。

キスマークが残らない程度に首を吸う。
彼の肌の感触、匂い…
なんと心地いいのだろう。

私の大腿部には硬くなったものが当たっている。


部屋着のワンピースが少したくし上げられて、
彼は私のお尻を捉えた。

お尻を鷲掴みにされながら、
私は尚も、首筋に唇を這わせる。

お尻を掴んだ両手は次第に中心部に寄る。
触れるか触れないかのところへと…


私はその手が届きやすいように、
お尻を少し持ち上げた。

指先が少し挿し入れられ、
私も吐息が漏れた。

指は更に奥へと差し込まれ、
私はたまらず、90度回転して横向きになると、
今度は彼が私に覆い被さった。
指は奥へ奥へと入り、内側を圧迫される。


指一本のはずだ。

次第に音が聞こえる。
私に快感をもたらす湿った音。

ただの指一本なのに。



夜、思い出して
自分の指を一本差し込んでみたが、
なんの快感も訪れなかった。

同じ指なのに。
何がこうも違うのか。