【お題日記】ほろ苦いHの思い出

あれはもう25年くらい前。
人生初の失恋、大失恋をした彼との
最後のSEX。

同期入社の彼は東京配属、
私は大阪配属だった。

私には当時、学生時代からの彼がいて、
最初はただの同期の仲間だったのが、
手紙のやり取りを続けるうちに、
（携帯電話なんてないからね）
お互い恋をしていることに気付いた。

しばらく遠距離恋愛を続け、
そして私は彼のいる東京で暮らすことを決めた。
父親からは半ば勘当されたも同然の状態で。

でも、東京での彼との日々は長く続かなかった。彼が仕事を辞めた頃から少しずつ、
ズレが大きくなり、
ある日、
「Aちゃんとは生きる道が違う」
みたいなことを言われた。

私は彼が大好きで、
当然のようにその先の人生を求めたからだ。

初めての大失恋。

泣きながら彼にすがったと思う。
そして成り行きでそのままSEXした。
もうお別れすることが決まった、
これが最後ね、のSEXだ。

細かなことは思い出せないが、
たぶん私は泣きながら抱かれたと思う。

そして、ベッドに私を残して、
彼は部屋を出て行った。

ほろ苦いというより、
とても悲しいSEXだ。

それから私はしばらく立ち直れなかったな…

もう一生立ち直れないと、あの時は思ったのに
時間薬の効き目は抜群で、
今はこうして思い出しても涙は出ない。