怪談　関山トンネルの女

去年の6月14日　午後11時ころだったか　夜になっても暑い日だった
山形の東根で商談をしＲ４８号を通っての帰りのことだった
山形は　星空で晴れていた
関山のドライブインあたりから霧が出てきた
トンネル入り口付近で片側通行の赤信号で止まっていた
30歳前ぐらいの女性がやってきて　仙台まで乗せて欲しいという
すごく色白で美人だった　
こんな山奥でと不思議にも思ったが、助手席に乗せた
トンネルを出て宮城県に入り作並付近だった
調子が悪いのでどこかで休みたいと、急にもたれかかってきた
ちょうど　ホテルがあったので　これ幸いと入った
妖艶なまでの美しさだった
夢中で抱いた
ずいぶんヒヤッとした体温の低い女だった
果てて　そのまま眠り込んだ
１時間ぐらい眠ったろうか
外からの　生暖かい風で目が覚めた
誰もいなかった
ただ　窓が開き、シーツがグッショリと濡れていた