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慣れるということ

2019年05月28日 21:44

「どんな美男美女でも、(たしか)3日も会えば、飽きてくる」という話があります。さすがに3日じゃ短すぎるとしても、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月も会っていると誰でも実感することでしょう。

それが友人であっても、恋人であってもあまり変わりありません。

まして結婚し、毎日顔をあわせると関係になれば、お互い飽きてくる時がやってくるのは時間の問題です。

会って間がないとき、あるいは付き合い始めの初期は、そのつど新しい発見があり、刺激に満ちているわけですが(だから恋心もつのる)、時間がたつにつれて刺激が低減し、やがて薄れていくのは避けられないわけです。

むかし勉強した経済学で、物やサービスの価値も手に入れる頻度が多くなると低減していくと習ったことがありますが(つまり希少性が薄らいでいく)、もしかしたら人間の心理では、物と人間関係に断絶はなく、同じような位置にあるのかもしれません。

つまり人間は対象が人間であれ物であれ、「慣れる」につれて、驚きや刺激をうける度合いが減り、そこにあるのが当たり前の日常的な光景になってしまうということなのでしょう。

考えてみると、慣れが生まれるのは、会うたびにこころときめき、刺激を受けるような状態が長く続けば、こころが耐えられないから(刺激の許容限度を超える)ではないでしょうか。だとすると、慣れはこころの防衛反応ということになります。

どんな美男美女でもやがて日常的な光景になってしまうのは、こころが安定するために不可欠な機能の結果であるとすれば、ちょっとばかり悲しい話ですが。

すると恋愛の初期段階が過ぎれば、相手の顔や外見ではなく、それ以外の資質に惹かれるものがないとおよそ二人の関係は続かないことになりそうです。

もっともちょうどその頃には子供が産まれて、男女とも子育てに集中しなければならなくなり、相手の見てくれに払う関心などどこかに飛んでいってしまうのですが(笑)。二人を恋愛に誘い込み、慣れが生まれて二人に別れる危機が訪れる前に子供を誕生させ、子育てに集中させるのですから、遺伝子は実に巧みに活動していることになります。

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