- 名前
- ぱすかる
- 性別
- ♂
- 年齢
- 73歳
- 住所
- 福島
- 自己紹介
- おまんこは神の秘術
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バツ2、シンママ、壮絶な、貧困と暴力
2016年12月16日 15:52
女性、特に単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、千葉県に住むバツ2のシングルマザー44歳。彼女は、なぜ貧困に苦しむようになったのか。
「苦しいです。本当に苦しい。ずっと、どこか飛び降りることができる建物がないかな、って上を向いて歩いていたし……。息子のことを思い出して、やっぱり死ぬことを考えるのはやめようって、最近、やっとそう思えるようになった」
千葉県某市。街道沿いにチェーン系のロードサイド店が並び、同じような風景が続く。待ち合わせ場所に三井恵子さん(44歳、仮名)は疲れ切った表情でやって来て、何度もため息をつく。彼女には笑顔はなく、陰鬱なオーラをまとっていた。
バツ2のシンママ(シングルマザー)。駅から徒歩20分と交通の便が悪く築年数が古いアパートに、県立高校に通う次男(18歳)と暮らす。次男は中堅私立大学に推薦が決まり、学費はすべて日本学生支援機構の有利子奨学金で賄う予定だ。長男(23歳)は昨年から独立して都内で暮らしている。社会人になって大学奨学金の返済が始まり、経済的にはギリギリの生活を送っているという。
「今、テレビも行政も家族、家族って言うじゃないですか。ちゃんとした家族がいれば、絶対、私みたいにはならないと思う。親が助けてくれたり、兄弟が助けてくれたり、おばさん、おじさん、おじいちゃん、おばあちゃんが助けてくれたり。私はそれがいっさいない。だから福祉事務所に何とか説明して生活保護を受けて、最近、やっと仕事が見つかって、頑張ってダブルワークをしています。誰かに迷惑をかけたくないので、生活保護から抜けることはひとつの目標でしたから」
2年前、非正規職で執拗なパワハラにあって適応障害を発症、自殺願望が抑えられなくなった。適応障害で苦しむとき、次男は高校に入学したばかり。一家の大黒柱として、生活をしなくてはならない。精神科の診断書を片手に福祉事務所に飛び込み、生活保護を受けた。給付額は月12万円。
2カ月前、このままではいけないと仕事を探した。見つかったのはコンビニと駅前の居酒屋のダブルワーク。時給は最低賃金に近い850円、朝晩働いて月14万円前後の収入は確保できそうなメドが経ったのが現在である。
何度も自殺未遂を繰り返した
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自宅近くのファミレスで話を聞く。三井さんは席に着くとせきを切ったように話し初めた。一緒に住む次男に対しては、無理して気丈に振る舞う。孤独な生活で吐きだす場所がないようだった。
「私、パニック障害もあるし、適応障害もある。お薬は8種類ぐらい飲んでいます。だから落ち込むと本当に危険な状態になって、何度も自殺未遂はしていますし。でも、もう死のうとは思わない。理由は当たり前ですが、子供がいるから。ただ前の夫と一緒に住んでいるときは、薬飲んで救急車とか、首吊って落ちたり、いっぱいした。また、そういう状態に戻ったら怖い。息子が社会人になるまで、最低でももうちょっとは頑張らないといけないなって。1年半前に生活保護をもらって、少し精神的には楽になった。精神的には少し立ち直れたので、今は死のうとは思わない。けど、やっぱり落ち込んだときは、ツラくてツラくてしょうがない……」
20歳のときに妊娠を機会に最初の結婚、28歳で離婚。32歳で再婚、昨年2度目の離婚をしている。昨年まで婚姻関係があった2人目の夫から、執拗なDVを受けて本格的に精神崩壊した。その夫の話が始まると、目つきに憎悪のような感情がにじむ。
「3年前、もう耐えられなくて家を飛び出し、知り合いに警察署に連れていってもらいました。それまでは軟禁状態もあったし、いわゆるモラハラ的なDVでした。暴力もあったけど、とにかく言葉が厳しく執拗だった。毎日のように“お前はクズだ。死んだほうがましだ”みたいなことを言われ続けて、初めて自殺未遂しちゃたんです。“お前なんか生きている価値がない”って説教が始まって、そういう話を7時間とかぶっ続けでされる。朝4時とか5時まで。2度目の結婚生活は、ずっとそんな感じ。地獄でした」
モラルハラスメントとは言葉や態度による精神的な暴力。周囲も当事者も見えづらいため、なかなか表面化することはない。モラルハラスメントは「精神的な殺人」と言われている。前夫からは子育てや性格などから始まり、特に経済的なことは徹底的に言われた。
「家族の生活費で、家賃や光熱費を除いて8万円ほどを毎月もらっていた。何か無駄遣いをしているのではないかと突然怒りだして、家計簿をつけてすべての消費を報告しろと。朝までしつこく詰問されて、性格とか人格を否定されるみたいな。私は見てわかるとおり、ジーパンにTシャツが多い。ブランド好きじゃないし、金属アレルギーだし、無駄遣いはしていない。最終的にはジュース1本、隣駅への電車賃に至るまでおカネの管理はもう向こうが牛耳ることになって、なんの自由もなかった」
友達とのランチも許されない
前夫による支配は、おカネだけではなく、生活全般の行動にまで及んだ。夫と一緒にいない時間のすべてを報告させられた。行き過ぎた束縛、友達を作ることも許されなかった。
「浮気するかもしれないといって、パートに出ても家を出る時間と帰る時間をLINEで夫に送る。ちょっとでも時間がズレると携帯電話に何度も着信があって、最悪、職場にまで電話。誰にも渡したくないみたいな感じで、今考えると俺のもの、所有物です。最初のうちは気づかなかったけど、だんだんと束縛がひどくなって、友達と10分、20分話すと“誰と話しているんだ、電話するな”とか、ランチ行くって言うと、“俺のカネで”とか怒鳴りだす。だんだんと誰とも会えなくなって、どこにも行けなくなった」
精神的な不安定が始まった。夜、眠れない。不眠から始まって動悸が止まらなくなり、無意識に涙が流れたりする。消えていなくなりたい、という自殺願望のような気分に襲われることも頻繁になり、実際に何度も自殺未遂をしてしまった。前夫に気づかれないように精神科を受診、そこで初めてモラルハラスメントという言葉を知る。
「たぶん愛情がおかしな方向に向いたのかな。マインドコントロールです。毎日“お前はダメな人間だ”“お前は無能な驕った人間だ”“お前の考えはおかしい”みたいなことを365日、何年間も言われ続けていると、自分が悪いからって思い込む。強く責められると頭が真っ白になって、何も考えられない。我慢してもカラダがおかしくなるんです。過呼吸になって“ごめんなさい、ごめんなさい”ってなったり、呼吸が苦しくなっても“演技だろ”でさらにののしられる。お医者さんからはパニック障害と診断された」
過呼吸など体調がおかしくなったのは、結婚3年目あたりから。自分が悪いと自分を責めながら我慢を続け、心療内科に駆け込んだのは7年目だった。
「ずっと自分が悪いと思い込んでいたけど、今はインターネットで調べれば、精神疾患もモラルハラスメントも知ることができる。7年間経って、やっと夫が異常だということに気づいた。たぶん、そういう情報がない時代だったら一生気づかなかった。我慢を続けて、頭とカラダがおかしくなって死んじゃったんじゃないですか。そう考えると恐ろしいし、実際に気づかないで自分を責めて生きている女性は何万人もいると思う」
3年前、パート先の職場で知り合った同僚に相談し、警察に駆け込んだ。母子生活支援施設に保護されて、弁護士を介して離婚を申し出た。前夫は血眼になって三井さんを探した。もめにもめて、慰謝料なしの協議離婚を前夫は渋々受け入れた。
「最後のほうは“殺す”って包丁を持って暴れるみたいな状態でした。たまにニュースで逮捕された犯人がみせる殺人者の目、殺されるかもという恐怖が逃げる最終手段の後押しをしてくれた。だから、今でも前の旦那が家に来るんじゃないかって恐怖心がある。当時、暮らしたのは県内の全然違う場所で、何十キロかは離れています。でも、怖い。弁護士の先生に他人が戸籍や住民票を閲覧できないように手続きはしてもらいました」
昨年の秋にようやく離婚が成立。施設から出て遠く離れた土地でゼロからの出発、二度と会わないための手は尽くしたが、今でも前夫の顔や声を思い出して動悸が止まらなくなることがある。
前夫から逃げて、シングルマザーになった。自分が大黒柱である。どこで働いても年収200万円に届かない。ギリギリの生活の中で、自殺願望のような憂鬱は消えることはなかった。次男のために頑張らなくてはいけないと、心に誓ったのは最近のことだ。
実の父親からのすさまじい虐待
三井さんは「家族とは無縁」という。長年の精神的な虐待に限界を超えるまで苦しみ続け、前夫から逃げても隣県に暮らす親は何も助けてくれなかった。いったい、どういうことか。家族のことを尋ねると、さらに表情が歪み、涙目になった。
「実は私、父にとんでもない虐待をされていたんです。どこから話せばいいかな、小学校4年だか5年のとき、母親が今の義父と駆け落ちした。私を置いて。それから父親からのすさまじい虐待が始まって、今になっても現実を受け入れられないので、とても全部は話せません。30年間くらい経っても引きづっている状態で、精神的におかしいのは前の夫のことだけではなくて、積もり積もってなんです」
続く
このウラログへのコメント
こんな旦那さん、いますね。
ノリコがこれに近くて、旦那との家を出たの。
それに比べて美奈は自由だったな。
地獄ですよ。女にとって束縛は。
さらに暴力ふるわれたらね…
精神も病みますよ。
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