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【短編】その場限り

2016年09月20日 17:58

空は高く青く、容赦なく陽が照り付ける

建物の屋根も地面も、自分の肌すら、ジリジリと音を立てているかのように思われる

砂浜はすっかり熱せられ、素足で歩くと痛いくらいだ

私は今私を含めて男二人女二人で、海水浴に来ているのだった

みんな古くからのなじみで、幼き頃からよく遊んでいた

祥子そんなところで何してるの」
「せっかく来たんだし泳ご」

明るい性格の美代にそう促され、くいと腕を引かれ、海のほうへといざなわれる

断る理由もとくにはなかったし、こう暑くては水の冷たさも恋しくもある

水の中では男たち二人がすでにビーチバレーで遊んでいる

祥子 ボール

声に気を取られていると、すでに真上にボールが来ており、なすすべもなく祥子のほうをかすめていった

「なにしてるんだ、早くボールもって来いよ」

仕方なく祥子は後ろを振り向き、水をかき分け、波打ち際で漂うボールを目指すのだった

ボールの輪郭は陽光をはじき、キラキラと輝き、それは、水にぬれていたためか、ひんやりと冷たかった

「次、落としたやつ罰ゲームな」

「えーやだよー」

美代は素直にそう答える

「どうせ、ろくでもないことするんでしょ」
「いつだって・・・」

「ほら、ボール行ったぞ」

話す間もなく、開始されていたようで、バランスボールほどの大きさ祖それは、すでに美代のもとに向かってきていたのだった

美代は難なくそれをはじき返し、パンとよく澄み渡った青空へと打ち返す

男の子はやはりこういうことに慣れているのか、何の気なしに、はじき返し、

そのボールは、祥子のもとへ、

心地よく飛んでいたボールは、風のいたずらか

空中で勢いをなくし、手をぐいと伸ばさないと届きそうもなかった

祥子はあたふたとし、必死にボールに食らいつこうと手を伸ばした

するとバランスを崩し、まるでダイブをするかのように、バシャンと水面に顔を打ち付け、意もせず水の中へも釣込む結果となってしまった

「ひゃはははは、相変わらずだな」

水面へと顔を出した祥子の耳に飛び込んできたのは、仲間たちの上品とは言えない笑い声

「ひゃははははは」

「あははははは」

すると、美代がこちらを指さし何かを笑いながら訴えようとしている

祥子、肩紐外れてる」

はっとなり、急いで取り繕う

祥子罰ゲームな」
日差しもきついから、オイル縫ってやるよ」

まだ、笑いをこらえきれぬ様子でそう告げる

「えー、あやしー」

美代はそう言いながら、顔は笑み、楽しんでいるようだった

「さあ、いこ いこ」

またも、美代に腕を引かれ、今度は浜辺へといざなわれる

「横になって」

ビーチパラソルの下に据えられた簡易的な別途を指さし、楽しそうにそう告げるのだった

仕方なく祥子はそこにうつぶせに横になり、濡れた体を別途に沈める

キュポっと瓶の栓の抜かれる音がしたと思うと、背中に、冷たい感覚が走る

「肌が荒れては大変ですからね、お客さん、しっかり刷り込みましょうね」

冗談ぽくそういい、いそいそと祥子の体にオイルを塗りつける

周りは、海水浴客でにぎわい、ガヤガヤという音や、砂浜を踏むサクサクとした音が響き渡る

そんなこともお構いなしに、塗り続け、あらかた塗り終わり

こんなところだろうと、腰を上げようとしたその時、美代がいたずらっぽく声を発するのだった

「まだ塗ってないところあるんじゃない」
「ほら、腰とか、かわいいお尻とか」

「そこまでするのか?しょうがない」

「え、そこはいいよ」

祥子は起き上がり反論しようとしたけれど、すでに、男の子祥子の背中に手を伸ばし
オイル塗りの続きを始めるのだった

祥子はだんだんと恥ずかしく、触られていることにくすぐったさを感じてきた

「くすぐったい、もういいよ」

「いいからいいから、りらーっくす」

美代はそんな姿を見て、カラカラと楽しそうに笑うのだった

その手は太ももに延ばされ、お尻のあたりをさまよう

太ももの内側にも塗ってあげなよ、きゃはははは」

「そこはいいってば」

男の手は遠慮することもなく祥子太ももへとするりと潜り込み、オイルを塗りつけるのだった

「くすぐったい」

「あれ祥子、もしかして気持ちよくなってきちゃった?きゃはははは」

「なってな、、、、あっ」

そういおうとしたとき、ワザとか定かではないけれど、祥子の股下に指が触れるのだった

「あれ、祥子どうしたの?きゃはは」

「もう、いい、、、やめ、、、、あっ」

もはやわざと触れているようだった、男は指を祥子の股下にはわせ、少し力を入れて上下させる

「ダメだったら」

お客さんどうですか?ひゃはははは、今日は特別ですよ」

「やめ、、、ん、、、、あっ」

「そろそろやめてあげたら」

自分から言い出したものの、今更ながら、責任と後悔を感じた美代は、そういい、男の腕を引く

「うるせえよ」

そう怒鳴り、美代の忠告もどこぞとばかりに、腕を振りほどく
男はやめるどころか、さらに力強く、手首を聞かせて、指を祥子のそこにこすりつける

「あっ、んっ、、あぁ、、、、」

「だめだったら、知らないよもう」

「うるせえ、女はあっち行ってろ」

美代はそう怒鳴られると、なすすべもないことを悟り、背を向けて海のほうへと歩き出すのだった

その背中をもう一人の男が追いかけ、後ろから乱暴に抱き着く

「ひゃはは、やれやれ、ひゃははは」

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その後、二度とその4人は共に行動することはなかったとさ、じゃんじゃん

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