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【詩】深緑

2016年09月18日 00:05

まだ夜も明けぬ時間

この時間は、なぜか特有の感覚に襲われる

胸にぽっかりと穴が開いたような

寂しい?空しい?

どう表現したらいいかわからないけれど

そんな感覚

辺りは、うっすらと光の指す

グレーが支配する世界

濃いグレーに、薄いグレー

彼らはまだ眠りについているようだ

空は、徐々に赤みを帯び

オレンジの光が辺りを占める

新しい一日の始まり

世界の目覚め

日の光が、徐々にその威力を増し

辺りを眩いばかりの光で包む

彼らは、その光と熱とを全身で受け取り

目を覚まし、鮮やかな顔を見せる

夜露で濡れた葉は、虹色に輝き

自然の美しさを思い知らされる

その姿は確かに心ひきつけるものがあるが

先ほどの闇に包まれた姿もその一面といえるだろう

表裏一体

ただ、そのどちらにとらわれたとしても

身を亡ぼすようなことはしてほしくないと

世の中の一点に過ぎない小さな体で密かに願う

グレー、オレンジ、緑、茶

色に詳しい人ならもしかしたら

もう少し細かな色に気づくかもしれない

学生の頃、絵の具で自然の色を表現しようとしたけれど

何度混ぜてもうまくはゆかなかった

そんな姿をじれったく思ったのか

教員が私に近づき

思うままに描けばいいのですと告げる

心に思うままに

私は一本の木に近づき

額をつける

ほのかな温かみを感じる

そっと耳を当てれば

その幹を流れる水の音が

ちょろちょろと音を立てて聞こえる

とても心地よく

ずっとそうしていたいと思わせてくれる

耳を話し、少し乾いたのどを

水筒で潤す

一歩踏み占めると、枯れ葉の音がカサカサとし

踏みしめるたびに、心地よく耳に響く

時折、遠くで大きなカサとし、おどろかされるけれど

それは、枯れ枝や木の実の落ちた音だとすぐに気づくことができる

そのように歩をすすめ

高台へと出る

ちょうどよい石をみつけ、そこに腰かけ

石はひやりと冷たく

また吹き抜ける風も、火照った体を癒してくれる

上方からは日の光が容赦なく照り付け

自然の力強さを見せつける

光を避けようと、力なく伸ばされた手のひらは

光を受け、輪郭はオレンジ色に輝き

指の間からは光が漏れる

前方はどこまでも青い空

その下に人々の住まう街

そして私は、ひと時の安らぎを身に受けた後

また、複雑に絡み合う雑踏へと帰っていく

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