ありがとう自販機

最近　性欲がハンパなく、毎日ムラムラしている。
昨日　女性とやりたい！って思いに思い。ついに、怪しいお店に行こうと決心した。

店の前に着いた僕は、ビルの看板を眺め、生唾を飲み入ろうと覚悟を決めたその時だった。
「○○くん！」　帰宅途中のアルバイト先の女性が偶然僕を発見し、呼んだ。

僕は、バイト先では好青年で通っているので、一瞬　「ヤバい！見つかった！」とあたかも犯行中を発見されたかのように、固まり動くことが出来なかった。

「何してるの？こんな所で？」僕がお店に入るとは、全く思いもしなかったのだろう。彼女の言葉と表情から、どこか無邪気さを感じた。

僕は、「いや～溜まっててね。お店に行こうとしてたんだよ」とは口が裂けても言えず、ちょうど近くに自販機があったので、「いや、喉渇いちゃったから、買おうかなぁって」と何とか上手くごまかした。

その後僕は、すっかり肝を抜かれてしまった為、性欲が失せてしまい、流れのままに彼女と駅までテキトーに話をして、我が家に帰宅。

家に帰り、就寝につく僕は、昨日の一連の出来事を振り返った。

じわじわと手や額から汗が出る中で

「ありがとう自販機！」

そう呟いて、目を閉じた。