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サキュバスの姫君/誘拐【ミントの触手】

2012年06月30日 23:08

再び顔を出した月の光が、誘拐犯の顔を映し出す。
 たくましい体を黒い服で隠している。顔はマスクでおおわれていた。

「あなたは?」
 男の問いに答えず、姫は聞き返す。自分が誘拐されたと知ったら、ケットシー騎士はどんなに悲しむだろう
「失礼」
 鳩尾を殴られた。吐き気と痛みで気を失う。

 姫が目が覚めたのは、洞窟の中に作られた岩牢のようなところだった。
 壁にはびっしりと呪文のようなものが書かれている。
 魔封呪。攻撃魔法も防御魔法も全く使えない姫には無用のものだ。
 
 姫は縛られて転がされていた。

 後ろで腕を組まされて、固定されている。
 足は岩牢の隅にはめ込まれた鎖につながれていた。
 初めて味わう痛みは、まだ鳩尾に残っている。

「お父様・・・」

 涙が湿った岩牢の床にしみこんでいく。

「オイ」
 
 声がした。連れてきた男とは違う声だ。

「あんたがお方様の娘か」

 仰向けに転がされて縛られている彼女には男の方を振り向く自由さえない。
 崩れた髪を持ち上げられた。
 姫の殺気と非難に満ちた目は、見たこともないほど汚い恰好をした男の目にまっすぐ向けられる。

「ベソベソ泣いて助けを請うかと思えば、いい目をしてるじゃねーか。調教のし甲斐があるというもんだ」

 姫は軽々と抱き起されて座らされた。

お上品な城で楽しんでたんだろうが、ここではそうはいかねぇ。うちは貴族の女をサラってきて、提供するところだ。庶民さまはあんたみたいなのを穢すのが大好きだからな」

 親切な説明。姫は心の中で『なんて親切なんでしょう』とつぶやく

「もう帰れねぇよ。お方様にもここはわかりゃしねぇ。相手してやりたいが俺は忙しいんでね。後で面白いやつに犯らせてやろう」

 小さな女の子が食事を運んできた。

「食って寝な」

 粗末な欠けた食器。に入った赤い何かのスープと、水。
 ナイフフォークもなく、腕の自由もない。姫は不思議に思った。

「どうやって食べろとおっしゃるの?」

 男はそれを聞いて笑った。

「みんなそういうな。犬のように舐めとればいい」

 そう言い捨てていなくなった男。姫はため息をついた。
 食事はしなくても生きていける。
 水はないとつらい。ワインでもいい。
 とりあえず、舐めるのはやめてため息をつく。
 自分の養い方も知らない。父親の名前を呼ぶこともできないほど弱いものに監禁されている現実。

 あたりを見回した。

 自力で脱出はできそうにない。壁にもたれて、座ったまま目を閉じた。
 少しでも体力を温存しておこう。

 姫は頬をたたかれてびっくりして目を覚ました。
 城には当たり前だがそんなおこしかたをする者はいない。

「ほら。こいつの相手をしろ。それからお客様に提供するからよ」

 姫は男の背後に立っているものを見た。
 人の形をした気持ち悪いもの。
 少なくとも姫はそれを見たことがない。
 男はその下等魔族を檻に追い立てて入れると、そこに立った。
 どうやら犯されるのを見守るつもりのようだ。

 気持ちの悪いものはタコと人間の間のような姿をしていた。
 四肢はすべて骨がないようで、グネグネとしている。
 指は全部タコの足のように吸盤がうねっていて、7本ある。
 色は暗い緑色。とても生物の色とは思えない色だ。
 顔は人間のようだが、目に白い部分はなく異様に大きい。
 鼻はなく、口は固く閉じられていた。
 性器がある部分からは、直径四センチはありそうな陰茎が3本もうねっている。
 1メートルは長さがありそうだ。

 それは話せないらしく、ゴボゴボと何かをつぶやいていた。

「いや・・・これはいやぁぁ」

 魔族には異形の者が多い。弱い下等なものほど、その見た目は不気味に醜くなっていく。

お客様だと思ってちゃんと奉仕しな」

 無茶だ。

 それは拒否されるのは慣れているようで、ベタベタとじらすようにゆっくりと近寄ってきた。
 吸盤のついた触手で構成された手を姫のネグリジェの胸の上に置く。

「いや!」
 
 その手を振り払おうと、懸命に体を左右に振る。
 そんなことは気にせず、それは一つの手で乳首をまさぐる。
 もう一つの手は、綺麗な太ももの上をズルズルと這いずって緑色の汁を塗り付けている。
 ネグリジェ胸元が緑色になったころ、そこを穢していた手は薔薇のような唇に向かう。噛まれないよう用心しながら、唇を嬲る。
 姫は異変に気が付いていた。
 胸や太もも。液体が塗られたところがスース―する。
 唇もまるでミントオイルを塗られたようだ。

「?」

 一瞬それに気をとられて無防備になってしまった

 それを逃すはずもない。
 固く閉じられた足の間を、タコ男がこじ開ける。
 十分塗りたくられて液体で滑るようになっていた。
 タコの指がニョロニョロと姫の大切にところに伸びていく。

「!!いや」

 逃げようとして立ち上がり、鎖に足をとられて転ぶ。
 無防備になってしまった足の間を見て、それは確かにニヤリと笑った。
 姫の尻を覆う薄布ごとそこをつかみ、片方の手をその裾から突っ込む。
 骨のないうねうねと分かれたおぞましいものが、粘液をこすりつけながら大切な部分に迫る。
 閉じようともがいても、もう無駄だった。
 粘液で滑るのを、吸盤で固定した尻をつかむ手は外れない。
 うねうねとした手は、姫のそこをまさぐり始めた。
 大切なつぼみに粘液をこすりつけ、刺激を与える。
 清涼感はすさまじく敏感なそこを、刺激する。
 指は入口を広げたり花弁を吸盤で吸ったりしている。
「ああ・・・」
 いつの間にか姫は喘ぎ声をあげていた。
 今まで知らなかった刺激が、蜜壺から蜜を滴らせる。
 足を閉じることも忘れて、顔を地面に押し付けて腰を高く上げる。
 タコ男はその蜜壺から蜜を掬い取ると、指につけ姫の小さなシワシワの穴にずるりともぐりこませた。
「んんっ」
 そこは異物を排除しようと、懸命にひくつく。
 しかしタコの指は中で粘液をまき散らしながら、壁をこすりあげた。
 ミントの刺激がそこも襲う。
 と。

「そこまでだ」
 外で見ていた男がそういったとたん。 緑色に染まって喘ぐ姫を置いて、タコ男が立ち上がる。
「行くぞ」
 男が言うことは絶対なのかタコ男は開けられた扉から出て行った。
 姫は放置されて蜜壺から蜜を滴らせ、泣いている。
 途中で放置されて熱く疼くそこは、ミントの冷たさに冷やされてよけいに刺激が続いている。
 何とか立ち上がるが、手が使えないので自分を慰めることもできない。
 手を後ろで組まされているために、どう寝転んでも具合が悪い。
 結局座りこんだ

 どれぐらいたったのだろう。
 気配がした。

「新しい女でございます。お方様の娘でございますよ」
「本当かそれは」
「当たり前です。だからこそこんなに厳重な場所に閉じ込めてありますんで」 
 
姫は目を開けた。
比較的人型に近い・・・服を着た何かがそこに男と一緒に立っていた。
自分の疼きを鎮めてくれるのかと、少し期待する。
「これは美しい」
 姫の目は媚びてはいなかった。ちょっと期待はしたものの、自分をこんな目に合わせるものを許せるわけはない。
 座っている床には蜜がシミを作っていた。
 体は飢えている。サキュバスとしての本能を殺すほど、姫は怒っていた。
 顔は機会があったら噛みついてやると言わんばかりに、男たちをにらみつけている。

「美しいが私もけがをしたくないのでね。あれを持ってきてくれ」

 金網で編まれたマスクだ。

「今日はこれでいいだろう。喘ぐ声も聴きたい」

 姫はそれを着けようとした男にかみつこうと牙をむく。
 まるでネコ科の猛獣のようだ。

「これを。傷はつけねぇでくだせぇ。何せ特上の獲物ですからね」

 黒い革ひもが何をするものなのか、姫は知らない。

このウラログへのコメント

  • ベソ 2012年06月30日 23:37

    これはまた本格的なファンタジーを…


    続きが楽しみです

  • 花城 炎雅 2012年07月01日 12:58

    > ベソさん

    でもファンタジーは売れないそうなので趣味です^^
    続きは今書いてますがたのレズビアン作品に逃避してます^^

  • 花城 炎雅 2012年07月01日 12:59

    > イオの大地さん

    イオの大地さんは繊細で、お優しいですもん。とても相手の方に気を使われるのでしょうね^^

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