- 名前
- ベソ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- 我ハ墓守也。
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面接
2012年04月30日 22:54
初めての酒場へ入る時は、いつも緊張する。
自宅近所の、いつも看板だけは目にして気になっていた店。
今日はたまたまタイミングが合い営業していたので意を決して入ってみた。
住宅街の中に、控えめなサインだけがその存在を知らせる店は、
常連客以外は相手にしないのであろう風情が伝わってきて、
それは一見客には敷居が高いことと同値。
開店したばかりであろうその店に立ち入り、「今晩は~」と声をかける。
店には客は未だおらず、カウンターの奥から現れた初老のマスターは渥美 清似の、これがまた絵に描いたようなバーのマスター。
いやね、わし、緊張するんですよ。
こういう場所で、長年客の人生の盛衰を見守ってきたに違いない人の視線に晒されるの。
ほんま、酒の勢いを借りねば出来ない冒険。でも、その酒を飲みに入る店であるというこの矛盾。
こういう人って、わしの生い立ちやら、今までのおおよその経歴やら、
今の家庭環境やら、色恋沙汰やら、
きっと一目ですべて見抜いてしまってはるであろうことを覚悟します。
そりゃもう、面接ですよ。
就職の面接と趣は違えども、
しかしお互いが相手を値踏みする瞬間であることは何ら変わりない。
わしは、正直に近所に住んでいること、今まで看板は目にすれど入る機会がなかったこと、
女房が子育てでストレスが溜まっているので、近所に安心して飲みに行かせられる酒場を探していること、
などを話した。
マスターは渥美 清のような軽妙な語り口で、こんな入り難い店に入って来てくださり、どうもありがとうございました、うちはもう30年になります、幸い常連のお客様が多くいてくださり、ええあり難いことですと淡々と述べる。
う~ん。
わしはこの、
人生の酸いも甘いも噛み分けた、
色~んなことを見てきたマスターには、
どんな風に見えてるんやろ…
きっと、何やこのおっさん、堅気やけどサラリーマンらしくないのう、歳行ってても体力自慢か、人生何も分かっとらんのう、と思われてるんやろな、と覚悟しつつぼそぼそと会話を続けた。
ワインの店なので一杯だけ、と最初にお願いしたわしに「赤にします? 白にします?」とマスターが聞いてくれた。赤を頼み、定番のつまみを一品いただいて1,500円。これは正に予想した価格。
そして会話の最中に「お近づきの印しに」と言ってジンのショットを2杯、サービスしてくれた。(これがほんまにジンやったか不明。見栄っ張りなわしはここで「その酒は何ですか?」と聞けなかった。ああ、これで減点)
しかし帰り際には「今度はどうぞ、奥様同伴で」と言い握手を求めてくださってくださったのでまあ、わしは面接には合格した、ということやろう。
これはあり難いこと。
こうした個人経営のこじんまりした店では、
客を選ぶことが店の死活問題であることは自明。
実質的に会員制のクラブと変わらない。
わしが店に合わないと判断されたら、去り際にこうした送り方はなかった筈。
幾らバー経験が乏しいわしでもそれ位は分かる。
いや、緊張した。
でも、時に顔を出せるこういう店があることは人生の重要事。
女房もきっと気に入ってくれるやろう。
そうしょっちゅう通える訳ではないけど、ストレスが溜まった時に自己申告でわしに子供を預けて行って楽しく飲んでストレス発散してくれたらこれは家族皆の為。
という訳でこの連休、ひとつ面接をクリアしたわしです。
皆様ええ連休の残りを。
このウラログへのコメント
と、この店は女房を連れて行ける店。
他に、女房以外の女性を同伴できる店が必要…
しかし、わしと一緒に飲んでくれる女性がおるんやろか…
心まで解放させてくれるお店ってありますよねあたしも新天地で見つけなきゃお店との出会いに乾杯
> ゆり.さん
女性が一人で店に入るのは、それはハードル高いわ。わしだって緊張するもん
ええ連休後半をね。
> はっかさん
今回は成功したけど、入ってガッカリ、という店もあるもんね。
お店選びはほんまに難しい… それが楽しみでもあるんやけど。
ええ連休後半を。
> ☆涼子☆さん
会社の人と行くのは居酒屋でええけど、こういう隠れ家ぽい店は貴重やね。
でも女房に知られたら隠れ家やない。今回はそれが目的やからそれでええんやけど。
ええ連休後半をね。
> 317さん
常連といえる程通うことはなかろうね。
貴女を連れて行けるならどんな店がええやろ?
照明暗くてイタズラ出来そうな店?
楽しみ~ 勝手に喜ぶおっさん
ええ連休後半をね。
素敵なお店とマスターに出会えてよかったわね♪
これから常連さんになれそう?
兄さんも良い休日をね♪
いいお話ですね~。あなたのお優しいお顔を想像中♪(*^^*)仲良しご夫婦、いたわり合ってるのね。
> ゆか1さん
常連と呼べる程通うことはないやろう。
でも時々でも行ける店を見つけたのは嬉しいね。
それ以上に女房を安心して一人で飲みに行かせられるのが貴重
わしってええ夫?
> ♪ みゅうみゅう ♪さん
お言葉大変嬉しいけど、夫婦仲が良ければ本来不要な話…
わしと女房の間には越えられぬ川がある。今は過度にストレスを溜めることなく、日々を過ごして欲しい、の一念。子供の為にね
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