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ただ一緒にいたいだけだったのに…

2006年09月01日 22:39

『ごめん 眠くて限界だから一緒にいてもねるだけになっちゃうよ。お互いゆっくり休んだ方がいいと思う。』

彼からメールが届く
あたしは車の中でまた放心してる

『もう家ついた?送ってってもらおうかと思ったんだけどホームのクーラー部屋からうごけんわ。なんか緊張の糸が切れたみたい』
また届く


あたしは返信ボタンを押してぼーっと携帯を眺めていた
まだそこに居るんだ
と思った

なにをしてるんだろう
あたしたち



『まだ 郵便局前』
そう送信してからまたぼーっとする


なんなんだろう
この睨み合いは・・・
客観的に見てる自分も居て少し可笑しくなってくる


気持ちを伝えなきゃ
そう思って長いメールを書くことにした
『一緒に寝たらいいと思ってた。逢える時間が限られてるから出来る限り一緒にいたかった。そのために体調崩してもびょうきになってもあたしは平気だもの。でもあなたにとっては重荷になってるね。逃げるように改札でてくの見えてかなりショックだった。』

送信を押してから自分で読み直す
なんだ…一生懸命だなぁあたし。と思った

「ぜんぜんドライじゃないじゃん・・・(笑)」
口に出して言ってみるとよけいに悲しく惨めになる


『アツくなってるのはあたしの方みたい。ばかみたいだ。』
そう書いた
けど送信ボタンが押せなくて
クゥと
のどの奥が変な音をたてる

もうすぐ30分経つ
そしたらこれを送信してここから離れよう


2分経ち
送信ボタンを押して
ハンドルを握る
ギアを入れて
発進

できなかった

せめて彼が家に着くまではここにいよう
まだここにいるのかも知れないし
電車に乗ってるかも知れないし

だけどとても家に帰る気にはなれない


正直困った
こんなになっちゃってるあたしに

意固地なのは昔からだけど
自分で自分の面倒見切れない程
あたしバカになっちゃってる



45分を過ぎた頃
助手席側を向いてボーっとしてたあたしに
コンコンと窓を叩く音がした

そこに彼がいた

そのまま助手席に回り込んでくる
クーラー部屋で寝てた」
そういって車に乗り込む

あたしは曖昧に笑顔でかえして
「家まで送る?」と聞いた
「うん。」そう彼が言ったので車を出す


100メートルも進まない辺りで彼は寝てしまい
ずっと彼の家まで車を揺らさないようにそーっと混み混みの道を進んだ
ゆっくりゆっくりと

家に着いたら今日はサヨナラなんだと言い聞かせながら…




彼のマンションのちょっと手前で車を止めて彼を起こす
「あー・・もうついたんだ」
そう言う彼はものすごく眠そうで
そんなに疲れさせちゃってたんだと改めて認識させられる

「途中で飯くってこうと思ったんだけど寝ちゃってた・・お腹減ってる?」
あたしはただ首を振る
「あっちにパスタの店あるんだけど車おくとこがないんだよな…」

「あのね…」
「ん?」
「おなかは空いてるんだけど、ショックでかすぎて、今日は、もう、なにも食べる気しない…。疲れてるんだから…帰って寝て…?」
一言づつ考えながら言葉を句切りながらそう言うと彼は急に不機嫌になった
「俺はどうしたらいいん?」

「ごめん…」
あたしはなんどもそう繰り返してた
それしか言えなかった
何を言ってももう愚痴言い訳にしか成らないと思ってたし
それをくどくどと説明する気力はもうなかった

「じゃひとりでラーメンでも食べてくるよ」
彼は車を出てサヨナラの手を振る
あたしも手を振る
せめて笑顔でと思った顔は引きつっていただろう…


家と反対方向に歩き出す彼を見て引き留めたい衝動に駆られた

「これじゃさっきと一緒じゃん・・・」


一緒にいたかったの
ただ

今から外に一緒にご飯べにいったらまたあたし彼の身体に負担をかけてしまうと思った
こんなことならさっき駅で帰っておくべきだった


またあたしはその場から動けなくなって
呆然としている


合わないのかも知れないあたしたち
そんな考えがよぎる

ダンナはあたしの扱いがうまいんだなぁ
ぼーっと考えてた



車を出したのは10分後
彼が帰ってくる前にここから消えないといけない


追いすがる女は趣味じゃない
そんな女になるくらいなら可愛げがない女の方がましだわ

それでも最後の手を振る顔が忘れられなくて
わがままばっか言ってごめんね。でも最後に怒った顔をしないで;;」
とメールを送って車を出した




ぎぅ
と胸が締め付けられる思いがした

あたしのわがままで彼を疲れさせて怒らせてしまった
それでもやっぱり一緒にいたいと思うあたしはどれだけわがままなんだろう

市内を車でグルグルと回って
まっすぐ帰れば30分で帰れる道を2時間ほどかけて帰った


『ごめんね、今日のはあたしが一方的に悪いと思ってる。ほんとにごめん。』
メールを送ったら
ワンテンポおいて電話がかかってきた

「俺の態度も悪かった」
そう言ってくれた
「ありがとう」
あたしがそう言って

電話は切れた



喧嘩をすると仲直りした後に絆が深まる
けど
たまに消えることがない傷が残る

しばらくはうまく笑えないと思う

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