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..<自衛官自殺>国に8015万円賠償命じる…地裁浜松支部
2011年07月11日 15:48
05年に自殺した航空自衛隊浜松基地(浜松市)所属の男性3等空曹(当時29歳)の遺族が「自殺は先輩隊員のいじめが原因」として、国と当時の先輩隊員に約1億1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、静岡地裁浜松支部であった。中野琢郎裁判長は国に8015万円の支払いを命じた。
原告側弁護士によると、自衛官の自殺をめぐる同種の訴訟で国の賠償責任を認めたのは、自殺への責任を認めた08年8月の福岡高裁判決(確定)と、いじめへの責任に限定して認めた今年1月の横浜地裁判決(遺族側が控訴)に続き3例目。
訴状などによると、浜松基地第1術科学校に所属していた3等空曹は、95年の入隊以降約10年間、配属先で先輩に当たる2等空曹から、仕事上のミスなどを理由に殴るけるなどの暴行を受けた。また「反省文100枚を書くか、辞表を出せ」「死ね」「やめろ」との暴言を繰り返し浴びせられるなどのいじめを受けてうつ状態になり、05年11月に浜松市内の自宅で自殺した。3等空曹は生前、両親や同僚にいじめを相談していたという。
遺族は「先輩隊員は過重な精神的負担を蓄積させ、結果として死に至らしめた。上司も先輩隊員の行為を改めさせる指導監督義務がありながら何もしなかった」などと主張。被告側は「いじめの実態はなかった。先輩隊員の指導は不適切な方法が一部にあったことは否定しないが、それによって精神疾患を発症するほどとは考えられない。精神疾患や自殺の予見は不可能だった」などとし、請求を棄却するよう求めていた。【沢田均】
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