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届けない声(1)

2011年04月01日 17:13

もうそれなりの期間付き合ってきた。
ずっと一緒に居た訳でもない、連絡だって決して多かった訳でもない、それでもここまで続いてきた。
これからも一緒に居れたら、ずっと一緒に居れたらと思って「いた」

彼女キレイなのだがワガママだ、趣味はイマイチ合わない。
彼女は覚えていないかもしれないが、昔、俺は「もっとワガママに甘えてくれていいよ」と言ったのだ。
だが正直、今の時点で自分のキャパシティーを超えている、何故あんなことを言ったのだろうか?
甘えて欲しかった?もっと気持ちを伝えて欲しかった?
確かにそうだ。でもそれは本質ではない、ただ「相手の気持ちの確証が欲しかった」
いや、それも自分に取って都合のいい言葉だ。
「怖い」
一言で言うなら間違いなくこれだろう。元より自分に自信なんてなかった。
なんとなくの延長線で付き合ってしまったバツの悪さもあった。そして何より彼女は自分には相応しくなく、身の丈に合わないと感じていたのだろう。
だから都合良く頼られたかっただけなのだろう。
だから彼女の口から発せられる言葉を信用していなかった、できなかった。
だが俺は気付いていた、自分も決して全ての気持ちを語っている訳でもないと、都合の悪いことはやはり隠していると。
ただ怖かった。自分を映す鏡に見えて怖かった。

付き合う前彼女の言葉の中に嘘があった。
彼女がふと零したのだが、指摘しても気にする様子はなかった。それ程取るに足らない事だったのだろう。
男関係なので決して気持ちのいいモノではなかったが、確かにそれ程大きな事柄でもなかった。
だが俺は怖かった、そして信用できなかった。
しかし俺は彼女の事が好きだった、その気持ちは今でも決して偽りない、どれ程伝わっているのかは分からない。自分がどれ程言葉に出来たのかも分からない。
でも、これだけは偽らない「彼女好きだ」
ただ、俺は汚い人間だ。自分が人に気持ちをあげる分、人から同じだけもらわないと気が済まない。
だからこそ気持ちを求めた、相手の気持ちがないことが怖かった。


彼女はしっかりしている。
いや、俺がしっかりしていないから相対的にそう感じるだけだ。
彼女転職までして希望職に就いたが、同年代の中ではそれ程特殊な事例ではない。勿論その努力自体は尊敬すべき事だが、今の論点はそこではない。
俺はクズだ、決して劣等感だけでそう言うのではない。社会的状況を見て、自分の状況を冷静に判断してそう思うのだ。
嫌な事を先延ばしにしてより酷い目に合う、自分に甘えて何もしない。
確かに言い訳はある、こんな状態でなければ、あの時こうならなければ…
相応に苦しんだ。だが、その苦しみを乗り越えられなかった。人の支えを受けながらに。

思えば付き合った頃には既に調子が悪くなっていた。
症状に付いては割愛するが、まともな診断も貰えない・人に説明も出来ない、だが外に出るのに苦心する、そんな感じだ。
そんな状態なのによくこれまで愛想を尽かさなかったものだ、その点においてはいくら感謝しても足りない。
今でも調子が悪い、特定の状況下、若しくは突然に症状が帰ってくる。
決して大病や難病ではない、ただ動けない、ある事情から身動きが取れなくなる。
だが、気休め程度の薬はあるし、当初より遥かに頻度は減っているのだ。
それなのに怖くて外に出たがらない、何もしたがらない、自分に言い訳をして甘えている。
本当にクズだ、本当は分かっているんだ、「何も出来ない」のではなく「何もしない」ことに。
自分以外にも甘えている。彼女にも甘えた「この状況を許すこと」を。両親にも甘えた「まだ学生を続けること」を
三流ではあるが、現役で大学に入って今年で24、まだ学生なのだ。院に進んだ訳でもない。
自分がクズなことは自覚している、自覚した、自覚させられた。だが次はそれを言い訳にしている、多分そうなのだ。
これはループだ。道がメビウスの輪の様になっていて先に進めない、先が見えない。
彼女も新しい環境で苦労している様だが、休みの日は大抵友人が家に遊びに来るか、遊びに行っている。俺の目から見ると、とても充実している、輝いている。
いや、正直に言うべきだ。地中に潜った土竜には「眩しい」のだ、と。


彼女は飽き性だ。
気に入ってたモノも暫くすれば興味が薄れてしまう。
「これが好き」を覚えては何度苦い思いをして、それを忘れたのかも分からない。
それを考えればよく関係が続いた方ではないのだろうか?
とプラスに考えると同時に「自分が飽きられる」と言う可能性が浮かぶ、そして恐怖する。
だがもうそれは可能性ではないのかも知れない。

彼女からの連絡が減った。
めんどくさがりの彼女だが、何だかんだで殆ど毎日連絡をくれた。
メールの返事なり、それが面倒な時は電話なり。
少し前から明らかに連絡は減っていた、毎日という言葉はなくなり、文章も簡素になった。
ここ最近はそれが更に顕著になった。電話もメールも全く連絡のないことが一週間続くことだってある。
距離的な問題もあり、以前から会う回数は本当に少なかった。だからこそ一日数回、その程度の連絡があったのかも知れない。
離れていくのが怖かった、だから返信がなくても必死でメールを送った。
流石に多すぎれば気持ち悪いだろう。だから、たまに・なんとなく、頑張ってそんな風に装っていた。
しかし返信は滅多に来ない、辛い。元より精神的に頑丈な方ではない、なんなら体調不良の半分は確実に精神から来ている。
音も立てずに心が折れた。
こちらからのメールも減った。相手に興味がないとさえ思えた。それはない、自分すらも偽った、自分に大しても平穏を装った。
電話はそもそも鳴らせない、仕事が忙しいかも知れないし、友人と遊ぶことも多いだろう。
いや、これも自分に嘘を付いている。
気を使っていると言うのは建前だ、本当は今何もしていない自分への劣等感から相手に負担を掛けたくないのだ。
もっと簡単に言うなら、「自分が辛い」それが嫌なのだ。

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