大塚2000円から3000円へ

階段のおりる
自分の足音と
激しくなりかける
鼓動が
みょうな気持ちの高ぶりを
嘲笑うかのように
俯瞰でみている自分を想像する
ドリンク協力
１０００円お願いします
と受付に書かれている
「１０００円かかるの？」
「はい、格安料金でやってますので・・・みなさんに協力していだだいております」
「よろしいですか？」
「いいいよ　３０００円ね」
「はい　ありがとうございます」
といったら
いきなり　元気のいい声で
フリー？なんとかかんとかの素敵なお客さまご来店８番テーブルなんとかかんとか
とわけのわからない
言葉を放ち
薄暗い店内を案内される
店内には
なぜか
ローリング・ストーンズのジャンピング・ジャック・フラッシュ
かかっており
せっかくなら
Start Me Up

にしてくれと
よわっちいあそこを
奮い立たせる



客は俺のほか
ひとりもいない

ソファーテーブルが８つある
こじんまりした
フロアだ

さあどんなのがくるか？
とアサヒスーパードライの
小瓶をグラスにつぎ
いっきに飲み干す

深呼吸
イケる
と暗示をかける

ローリング・ストーンズのビートが
さらに
鼓動を早くさせる


「こんにちわ～」
なんとも甘ったるいダミ声
おそらく　タバコか酒で焼けた喉を
なんとかかわいらしい声に変えないと
と
努力はしたものの
喉の老化は進むばかり
といった響きだ



砂漠の中
ビクビクしならら
さまよっている
旅人が
頭の中で破壊された


地雷だ


おそらく
６０近い
お姉さま

しまかも
かなり
ふくよか
というより
デブ
無駄な肉が
腹に３段になっているのが
スケスケのスリーブから
わかる

匂いもきつい

「お兄さん仕事帰り」

まあそんなもの
みたいな　あいまいな返事をする

「ズポンぬいで」

ズボンとパンツを膝までさげる

さわる掌　指先に年輪を想像させる
皺の感覚で刺激される

以外と元気いいな
とおもいつつ


パックっと

入れ歯ではなかったのが唯一の救いだ

どうせなら
総入れ歯だろ


チャーリ・ワッツのリズムをはるかに超えた

ビートで首をふる

年配の
６０近い
オネエ様


想像をはるかに超えたせいか
やらたと
元気がよく
ビンビンだ

発射しそう

早くここからも逃げたい


この現実離れした状況は
なんなんだ！

イク

ああ

瞬間

勢いあまった

フリで

口から抜く

お姉さまの
顔にたっぷりカケてやった！

イケた

「お兄さんすごい元気ね、顔にかかちゃったじゃない」
と
満足げな笑み
「つぎの子くるからちょっとまっててね」
と
ウキウキしながら
席をはなれる


もう無理だな

とおもい

ブラウンシュガーの
リズムにのり

店をでた



何事も経験とはいうが・・・


まあ

いい経験かな？