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『絵の中のあなた』 第3話

2011年02月19日 23:19

久々に官能の話です。

『絵の中のあなた』 第3話
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  ●華やかな香りと…

  真実は、シュンと会っていなかった間に、
  自分がすいぶん冴えない女になってしまっていたことに気づいた。

  レイナの神々しいほどの美しさをテレビで見て以来、
  自分とのあまりのギャップにショックを受け、
  何もする気が起きなくなってしまったのだ。

 コンビニを辞めてからは、美容院すら一度も行っていない。
  伸びた髪は一つにまとめ、化粧もろくにしないで日々を過ごしていた。

  このままシュンのライブに行くわけにはいかない。 
  そう思った真実は、まず美容室に行って髪を整え、
  化粧品も新たに購入した。
  当日は、髪から華やかな香りと、
  艶を放つヘアオイルをつけた。
  顔には少しだけラメをほどこしてみる。
  そして唇には、初めてグロスをつけてみた。

  「レイナにはおよばないけど、私だってなかなかイイ女じゃん」
  真実はそうつぶやいて、笑顔になった。

  ●熱愛宣言

  「俺さ、実は好きな女の子が今いるんだけど、
  元カノのことで傷つけちゃったみたいなんだよね。
  でさ、ちょっとくさいかなぁなんて思うんだけど、
  その子のために歌作ったからさ、聴いてくれる?」

  熱気に包まれたライブ会場で、
  ボーカルのシュンがMCをしていた。
  シュンのいきなりの熱愛宣言に、
  ファンの間で「キャーッ!」とか
  「ヒュー!」というひやかすような声が響きわたり、
  会場が一気にわく。

「“トゥルー”聴いてください」
  シュンがそう言って、静かに曲は始まった。
 真実は、心臓が止まってしまったのではないかと思うくらい
  硬直していた。
  そして、身じろぎもせずその曲に聴き入った。

  ●一つになれた悦び

  「“君が真実シンジツ)だって、
  最初からわかっていたはず”か…」
  真実はつぶやいた。

  「いい歌詞だろ?ダジャレじゃねーぜ」
  シュンが得意げに言う。

  「うーん……ちょっとキザだけど素敵。自分の名前が好きになっちゃった」
  真実は、自分の横で寝転がるシュンの顔をじっと見た。

  「そうだ。もう描きあがったよ、シュンの顔」
  真実は絵の上にかけてあった布をはずし、
  シュンに肖像画を見せた。
  シュンはじっと絵を見つめ、言葉を発しない。
  そして黙ったまま真実を抱き寄せキスをした。
  
  「絵が出来上がったらって約束、覚えてる?」
  真実はうなずいた。
  シュンは、真実の服を静かに脱がせていった。
  時間をかけてお互いすっかり裸になってしまってから、
  あらためて肌と肌を合わせる。

  「これが愛する人のぬくもりなのね。とても温かい…」
  「真実はふわふわと柔らかくて、すごく癒される」
  シュンは真実の胸に舌を這わせ、
  真実はその動きに敏感に反応した。

  シュンのしなやかな指が、
  いつしか真実蜜壺の中にも滑り込む。
  「潤ってる…。すごく感じてるんだね」
  「その指は、いつもシュンがギターをひいている指…」
  「真実の身体も、すごく素敵…」

  指の動きは少しずつ加速し、
  真実の声もどんどん大きくなっていく。
  やがてシュンは、優しくゆっくり真実の中に分け入り、
  そのまま動かず真実キスをし続けた。

  「痛くない?」
  「うん……大丈夫

  シュンと真実は、ようやく一つになれた悦びを
  しみじみと味わい、
  夜が更けるまで愛のいとなみは繰り返された。

  そして絵の中のもう一人のシュンが、
  そんな二人を飽きもせずに眺め続けていた。

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 如何でしたでしょうか

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