みんな仲良し

病院へ向かうために
タクシーを待ち続けていた
ふとあたりを見回すと
雨あがりの空を
雲が沢山流れていくのを見てた

その手前の一本の木に
雨の雫が
枝にちょこんと並んでた
朝日を浴びて気持ち良さそう
昨日の大雨にも耐えてなんとか
枯れ落ちずに済んだ紅葉の葉も
仲良く並んで
妙にお行儀がよかった

まるで誰かにこんにちは、と
挨拶をするように
一列に紅葉の葉が並んでいた

クリスマスツリーの季節は
もうすぐそこまで

紅葉のこの木は多分間もなく
葉を落とすのでしょう

一列に並んで
ぶら下がった葉っぱと
その下に枝じゅうに
朝日を浴びてきらきら光る
雫の玉を見た時

なんだか晩秋のクリスマスツリーを
見たような気がした

誰が偉いとか
誰が先を歩んでいるとか
競争意識を持ってない
一本の細い木では
雨の雫も葉っぱも
皆、仲良し
皆、くらべっこしない

それがいい
それがとてもいいと思ったんだ

自然が伝えてくれることは
いつも優しくて
いつも心を子供に還してくれる

誰もが心に刻んでいけたらいいなと
思う

誰かと比較などしなくていい
誰がえらいとか誰より劣っているとか
そんな競争などしなくていい

ありのまま自分のままでいいと
思えるように
皆が一日を穏やかに生きられたらいいと
願ってる・・・


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