デアイ

僕は座席に座って眠っていました。


ふと目を開けると、対面の女の人が座っていました。


僕はジーっとその女の人を眺めていたんです。


…静子先生？…


頭の中にそう浮かんだかと思うと、


僕は立ち上がって、女の人の前に立っていました。


女の人は僕に気が付いて、怪訝な顔をして、僕を眺めていました。


はっ、と我に返った僕は、その場を取り繕うように、


慌て言葉を発しました。


「あの～、人違いならご免なさい。山口静子先生じゃありませんか？」


「えぇ、そうですけど…」


「よかった。僕、川菜西小学校で担任してもらっていた平井です。平井慎一です」


静子先生も、あっ、と言う顔をして僕を見ていた…