どうしても躊躇してしまう

たった今、僕にしては非常に珍しく、蚊を殺しました



この寒くなっている今、僕の右膝の皿の下に何かが

あっ蚊だ！　と追い払ったら

すぐに飛んで逃げて、でもまだ吸いたがって寄ってきました

彼女（たしか血を吸う蚊ってメスだったと記憶）は危険を顧みず、本当に命がけで僕の血を吸おうとしていました

僕の血を吸って

力をつけて

そして卵を産もうとしていたのでしょう

卵を産んでも、自分は死ぬだろうに



迷ったけど、「ぱちん」とやりました

寒くて弱っているのでしょう

ちょっと触れた程度、全然つぶれていないのに、完全に動かない

彼女は子孫を残せぬまま

ただかゆくなるのが嫌なだけの僕の気持ちのため、目的を果せぬまま、無念の死を

これが人間での何かの出来事だったら、大事件です



その彼女

実に見事な体でした

あんなにきれいな状態の蚊をマジマジと見る事ができるのって、恐らく僕の一生の中で最初で最後

本当にきれいで、見事でした

地球の当たり前

生きるために長年かけて築いてきた肉体

生と死を繰り返しながら

個々の生はあっという間の死を迎えるのに

子孫が生きるために長年かけて築いてきた肉体





蚊の食料は、草の汁や、血などだったと記憶しています

同じように小さな生命体は、そんな食事や、自分より小さな微生物を食べたり



魚やカエルぐらいの大きさの生命体たちは、そんな蚊などを食べる

植物を食べる

食べられる側、間違いなく生きている存在

生きるためには、他の生命体を殺してしか生きていけない

地球の当たり前



ヒト

その最たる存在

ヒトが食べる物で、元々生きていなかった物ってないと思う

僕のチンケな頭で考えたけど、敢えて言うならニワトリなどの卵かな？
これって無精卵、ヒトの女性の月一回と同じ現象だと理解しています
でもこれ、本来は生命の源だから、ニワトリなどの卵も生きているものに分類していいと思う

つまり

そこらじゅうにたくさんヒトが生きていますが

今の瞬間生きているヒトは全て、毎日殺し続けている、他の生命体を

ヒトだけでなく、かわいいかわいい言っているペットや鳩ですら



地球の当たり前







なのに

一匹の蚊を殺すことに躊躇してしまう、俺



食べてあげようかな、と本気で考えました

でも食べてあげることはできなかった



まっ、これはこれで正常な感覚なのだと思っておこうっと







２００８年１０月２７日（月）２１時５５分

自宅にて
右膝にすこしかゆみを感じながら

たけし