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「妖女」

2005年12月15日 22:40

●香穂が狂い泣き
「ねえっ、いかせて、お願い」
 と、激しく嗚咽しながら昂ぶった声を張り上げた。
 そんな哀願が香穂の口から迸り出ると、マキは喜悦の表情を浮かべて、バイブを深く喰いこませたまま膨張を示している小陰唇に眼を向けた。粘膜の内側は熱く糜爛化し、それを覆ってふっくらと盛り上がる漆黒の艶っぽい茂みは、夫人がとめどなくしたたらせる樹液で熱く濡れ光っている。
「そんなにいきたいかい。奥さま」
「ええ、生殺しは嫌っ。ここまで来ているのですから、ちゃんといかせて」
 香穂は情感にねっとり濡れた眼を哀切的にそよがせて、マキの顔を見た。
「よし、じゃ、思いを遂げさせてあげるよ。そのかわり、うんとエッチな事をいって僕を煽らなきゃ駄目だよ」
「ええ、教えて下さった通り、何とでもいいますわ」
 と、香穂は荒々しく息づきながら屈服の意志をマキに伝えた。
 マキは再び攻撃を開始し、香穂にこういえ、
ああいえ、と、淫らな言葉を強要する。
 バイブの電動音がして、またもや、それで熱く熟した粘膜の内部が掻き立てられると、香穂は艶っぽいうなじを浮き立たせ、狂い泣くのである。


団鬼六著「妖女」太田出版 880円)

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