いってきまっチュ

うちの夫婦はよそと比べて仲がいいようだ。

相方は井戸端会議の内容も、秘密だよ、と言いながら全部話してくれる、だから、近所の旦那達と顔を合わせた時、口を閉じているのに、
苦労する。近所の人と一緒に飲みに行くなんて自殺行為だ。

　その聞かされる内容から、推測してもうちは、仲がいいようだ。

　なぜだろう。

　２人ともエロいから？

　でも相方の幼馴染で、家庭内離婚で口も殆ど利かない、にもかかわらず、それとこれとは別とかいって、やることだけはやる夫婦も実在する

　思い当たる事と言えば、関白宣言ではないが、結婚する時の取り決めで、ずっと守らせている事がいくつかある。

　1.お互い違う人間で、歳も、性も違うので相手の事を理解するなんて　　不可能だと思え、だから納得いかない時は俺に合わせろ。

　2.勝手に財布の中を見るな、夫婦だろうと、プライバシーは必要だ。

　3.仕事に行く時、玄関でチューしろ。

　この中の３っつは必ず守ってもらっている。
　もっとも、１・２は抜け道があるので実際はわからないが、
　３に関しては、玄関ではないにしろ、必ずキスしてからでかける。

　前の晩ちょっと喧嘩して、相方がそっぽ向いている時でも、強引にキスをしてその上舌までいれて（ホンと俺ってＳ）２秒程見つめて、
『いってらっしゃいは？』
という傍目に見たら意地悪のような事をする。

　ちょっと言い訳、自分勝手だと言いたくなる人もいるかも知れないが俺は、女というものを、こう考えている。

　女は基本的に変化する事を恐れている。

つまりこういう事、

　平凡な日常を退屈に感じていても、誰か一緒に現実を変えてくれないかなあ、と思うだけで、自分から変えるのは怖い。白馬の王子様私を助けて。

逆に言うと、
　
喧嘩する事によって、日常が壊れるかもしれない事を恐れる。だから、不安になって人に相談したりして、より話がこじれる

　俺は謝らない人だけど、相方を不安にさせたまま出かけるような事もしない人である。だから、昨晩は喧嘩したけど、それだけの事だよ、いつもと同じ朝を始めよう。

いつものように、

『いってきまっチュ』